前回の世界株安時には、景気後退は起こらなかった
その2011年8月当時の世界株安の状況を、より詳しく分析、現在と比較したのが、三井住友DSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト市川雅浩氏だ。
市川氏は「米国債の格下げが市場に与える影響について」(8月3日付)のなかで、こう説明する。
「米格付け会社S&Pは2011年8月5日、長期債務格付けを『トリプルA』から『ダブルAプラス』へ1段階引き下げました。
格下げを受けて、ダウ工業株30種平均は2011年7月21日の直近高値から10月3日まで16.3%下落し、7月21日の水準を回復したのは約半年後の2012年1月25日でした【図表2】」
ただし、結局、米国が景気後退(リセッション)入りすることはなかった。2回目の今回、市場は格下げの動きがある程度想定できるため、冷静な対応が可能だという。
その「証拠」として市川氏は、フィッチが米国債格下げを発表した直後の2日間の、主要国の株価指数騰落率のグラフを示した【図表3】。
これを見ると、ダウ工業株30種平均の騰落率が一番低く、なんと一番高いのが日経平均株価という結果になった。ダウの2倍以上の下げ幅だ。