「医者の不養生」という言葉があるが、いつも忙しそうな医師の「夏休み」事情はどうなっているのだろうか?
産業保健支援事業や医療人材総合サービス事業などを行うエムステージホールディングス(東京都品川区)は2023年7月25日、同社の運営するサイト「Dr.転職なび」などのユーザー516人を対象とした「夏休み・ボーナス事情」に関するアンケート調査の結果を発表した。
調査によると、医師の夏休みを取得する人は70.3%にのぼり、外出を楽しみたいという人が89.0%に上ることがわかった。過ごし方としては過半数の人が「国内旅行(宿泊あり)」を考えており、「海外旅行」に出かける予定の人もいるという。
自由回答からも「コロナもだいぶ収まってきたため、今年は行きたいところに行きたい」という声が上がっている。
医師の夏休みの過ごし方は過半数が「国内旅行(宿泊あり)」 でも、「必要な自粛は続ける」との声も
調査元によると、全国的に猛暑日が続く今年の夏は、約4年ぶりの「行動制限のないノーマスクの夏」となりそう。
限られた医療機関でのみ対応可能だった新型コロナウイルス感染症の受診も、幅広い医療機関において可能になり、引き続き多忙を極める医師はどのような夏を過ごすか、夏のボーナス事情と合わせて調査したという。
はじめに、医師の夏休みの取得状況について質問した。「すでに夏休みを取った」という人は「1.7%」、「夏休みを取る予定」は「70.3%」となり最多になった。「夏休みを取らない予定」と答えた人は「27.9%」に上った。
2つ目の質問では、初めの質問で「夏休みを取る予定」と「すでに夏休みを取った」と答えた372人に対して、どのように過ごすか聞いた。すると結果は、「外出する予定(外出した)」が「89.0%」となり突出している。「外出はできるだけ避ける予定(避けた)」は「11.0%」に留まった。
「外出する予定(外出した)」は前年の「60.2%」と比べると、「28.8%」の上昇になった。
続いて、「外出する予定(外出した)」と答えた331人にはその内容を聞いた。すると、最多となったのは「国内旅行(宿泊あり)」で「180人」とほかを引き離した。次いで、「公園や買い物など、近所で過ごす」は「59人」、「帰省(宿泊あり)」は「52人」、「海外旅行」は「40人」、「国内旅行(日帰り)」は34人という順になった。
過ごし方についての自由回答では、
・コロナもだいぶ収まってきたため、今年は行きたいところに行きたいなと思っています。(30代/循環器内科/勤務医)
・昨年までよりも行動範囲が広がります。(60代/耳鼻いんこう科/勤務医)
・旅行目的は城巡りで、屋外での散策がメインです。また、感染予防のため、目的地までの移動も乗用車です。(50代/一般外科/勤務医)
・混雑する場所に行く場合は、未だになんとなく行き先を言いづらいです。(30代/精神科/勤務医)
と、いった声が上がっている。
さらに、コロナ5類移行による「自身の夏休みの過ごし方」への影響を聞くと(n=372)、「コロナ禍以前のように外出する」は「49.2%」、「必要に応じた制限や自粛を継続しながら外出する」は「46.5%」、「できる限り外出は避ける」は「4.3%」となった。「必要に応じた制限や自粛を継続しながら外出する」と「できる限り外出は避ける」をあわせると「50.8%」となり、「コロナ禍以前のように外出する」の「49.2%」と拮抗していることがわかった。