なぜ、「変動金利」は上がらない?
一方、住宅ローンの変動金利型は、全行が据え置いた。
そもそも、変動金利型住宅ローンは、銀行が「短期プライムレート」(短プラ)をもとに決めている。その短プラは、日銀が誘導する無担保コール翌日物の金利に連動している。
ただ、無担保コール翌日物の金利は、2016年から日銀がマイナス金利に抑え込んでおり、現在も歴史的低水準にとどまっている。つまり、変動金利型は短プラの影響を受けているので、日銀の金融政策の変更の影響がないわけだ。
大手5行が固定金利型住宅ローンの引き上げを発表した7月31日の「無担保コール翌日物」の加重平均レートは、マイナス0.061%だった(速報ベース)。前営業日(マイナス0.059%)から、ほぼ横バイだった。
ちなみに、「無担保コール翌日物」とは、短期金融市場におけるインターバンク市場(市場参加者は金融機関のみ)の一つであるコール市場の代表的な取引。
金融機関同士が「今日借りて、明日返す」といったような1日で満期を迎える超短期の資金調達や資金供給を、借り手が貸し手に対して担保を預けずに行う取引をいう。