「パフォーマンスのAI導入より、まずハンコ文化の廃止を」
ではどうすれば、国家公務員人気の復活が果たせるだろうか。最後に、各省のクチコミから、魂の叫びを聞くと――。
経済産業省「国家公務員の不人気化による地盤沈下が進んでいて、総合職の試験がスクリーニング(選別)として役に立っていない気がする。経産省はその中でも選り好んで採用しているが、そろそろ限界がくるのでは。国全体として公務員への投資を考えるべき」(課長補佐、男性)
財務省「世界最先端を目指すには、まずAI導入より、あまりに遅すぎるインターネット回線速度、ハンコ文化の廃止、人事関係手続き書類の電子化など、すぐにでも取りかかれることはいくらでもあります。パフォーマンスのための取り組みばかりに手を出すのではなく、真に業務を高度化・効率化するために効果的な施策を検討していただきたいです」(行政事務、男性)
厚生労働省「特に勉強の時間確保が難しいことに危機感を持っている。社会から批判され続け、日々の業務で疲弊した中、時間を惜しんで勉強する意欲を保ち続けられる人などほとんどいない。余裕があれば、自ら創意工夫で勉強したいと思うだろう。少なくともこの職場の職員は、就職前の学生の時点でそうした意欲を持っていたことが認められて、就職選考に合格したはずである」(課長補佐、男性)
各省庁は、国家公務員たちの初心を失わせることなく、大いに伸ばす文化・風土であってほしいものだ。国民のためにも切に願う。
調査は、2014年1月?12月と2023年1~7月の期間にOpenWorkに投稿された現職公務員と民間企業社員による回答を元に集計した。(官公庁業界は1057件、民間企業全体は4万5815件)。
なお、中央省庁では復興庁とデジタル庁は回答数が10件未満のため掲載しなかった。(福田和郎)