東大生の「キャリア官僚離れ」が表す、国家公務員人気凋落...それでも魅力2位は環境省、3位財務省...では1位は? 若手官僚「魂の公務員改革」を聞け

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「士気が高い職員に仕事が集中するため、優秀な者ほど辞めていく」

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環境省

   一方で、「人材の長期育成」「人事評価の適正感」「待遇面の満足度」のスコア、いわゆる人事・評価制度の面では、1府11省はどこも3点未満で、共通課題であるといえる。各省のクチコミから問題点を見ると――。

「とにかく年功序列である。細かい資料まで上に見せて直す必要があり、深夜まで対応が及ぶこともしばしばある」(事務職、男性)
「国会対応などの雑務に忙殺されて本命業務が滞ったり、形骸化した文書の書き方などで決裁を差し止められたり、無駄な業務が多いです。(自分の省では)紙文化が根強く、打ち合わせをする際にも他省庁と比べて電子化しているものが少ない」(係員、女性)
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国会対応が煩わしくて(国会議事堂)
「どこの公務員も同じだが、どれだけ頑張ってもあまり給与は変わらず、さぼればさぼるほど効率的に給与がもらえるので、いわば職員の気概やモラルだけで成り立っている。士気が高い職員に仕事が集中するため、優秀な者ほど失望して辞めていく、という悪循環となっている」(係長、男性)
「優秀な者に業務が集中する一方で、ほとんど業務をしていない者でも一定程度の評価となり、不公平感を感じることは多い。手間がかかっている割に人事評価制度がうまく機能しているように思えない」(一般、男性)
「年功序列のため、どれだけやる気があっても、周りと差がつくほどの出世はできない。半年に一度、所属課長による期末面談が実施され、その結果に基づいて評価を得られるが、ほとんどが似たような評価になり、あまり差がでない」(事務官、男性)

   こういった案配で、国会対応や紙文化などの独自のルール、加えて年功序列を指摘する声が多い。「優秀な人や士気がある人ほどしわ寄せがいく」という不満の意見が聞かれた。結果的に報われない徒労感に陥っている様子が各府省問わず散見された。

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