【2024年卒就活生】インターン参加社数5.2社 企業エントリーは減少傾向で、就活に変化?

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   近年、本格的な就職活動が始まる前に、学生たちが高い関心を寄せているインターンシップ。学生たちのインターンシップへの参加は、企業側にとって充実した採用につながるものなのだろうか?

   そんななか、マイナビ(東京都千代田区)が2023年7月18日に発表した、全国の企業3113社を対象にした、2023年6月時点の2024年卒の採用活動および2025年卒の採用計画について調べた「マイナビ2024年卒 企業新卒採用活動調査」では、企業の人材採用の状況がわかった。

   2024年卒採用に関してインターンシップを実施した企業では、採用充足率が「8割以上」と答えた企業は「24.5%」で、さらに「5~7割」と答えた企業の「25.6%」をあわせると「50.1%」となった。しかし、インターンシップを実施しなかった企業では、採用充足率が「0割」と答えた企業が「53.5%」となっており、採用の明暗が分かれている。

   マイナビでは、「『なるべく多くの母集団(エントリー数)を確保して、入社してほしい学生を見極める』という選考方法には変革が求められているのかもしれません」と指摘している。

初任給引き上げの企業は70.0% 理由は「全社的な給与制度の見直し」53.0%、「求職者へのアピール」48.8%

   この調査は2023年6月2日から20日にかけて実施したもので、対象は同社運営の情報メディア「HUMAN CAPITALサポネット」会員にメールマガジンにて調査案内と、マイナビ2024利用企業担当者宛にメールマガジンにて調査案内、営業担当より各企業に調査案内したWEBフォームから回答を得た。

   有効回答数は3113社で、内訳は上場企業が265社、非上場は2848社。業種では製造が1223社、非製造は1890社となっている。

【図1】採用充足率 (採用予定数に対して現在採用が確定している割合)
【図1】採用充足率 (採用予定数に対して現在採用が確定している割合)

   はじめに、2024年卒全体の採用予定数に対して現在採用が確定している割合の「採用充足率」をみると、2024年卒は「8割以上」の企業が「19.0%」、「5割~7割」の企業は「20.5%」であわせて「39.5%」となった。

   なお、6月時点の採用充足率が5割以上の企業は前年比4.8ポイント減少となっており、新型コロナウイルス感染症の影響が大きかった2021年卒の「40.9%」すら下回っている状況だった。

   2024年卒採用に関してインターンシップを実施した企業としなかった企業を比較すると、インターンシップを実施した企業は充足率が「8割以上」が「24.5%」、「5~7割」が「25.6%」であわせて「50.1%」となり、実施無し企業は「0割」が「53.5%」と人材採用の明暗が分かれている。

   マイナビは「就職活動の準備期間に学生と十分な接点を持てたかどうかが採用充足率に影響する一つの要素となっているようだ」としている。

【図2】採用活動における現時点での問題点
【図2】採用活動における現時点での問題点

   2つ目の質問では、採用活動における現時点での問題点を聞いたところ、「母集団(エントリー数)の不足」が「70.0%」が2年連続で増加した。2023年卒との比較では14.4ポイント増加したかたちだ。

   一方で、2022年卒の「母集団(エントリー数)の不足」の「34.4%」と比較すると2倍以上増加している。直近2年で「母集団の不足」が企業にとって深刻な課題となっている。

【図3】エントリー社数とインターンシップ参加社数の平均値
【図3】エントリー社数とインターンシップ参加社数の平均値

   続いて、学生のインターンシップの平均参加社数を見ると、2022年卒が「5.0社」、2023年卒は「5.0社」、2024年は「5.2社」と増加傾向を示している他方で、3月の平均エントリー社数は2022年卒が「13.8社」、2023年卒が「11.2社」であるのに対し、2024年卒は「9.1社」と減少傾向がみられる。

   これに対してマイナビは、「学生は就職活動の準備期間から既に応募する企業を絞り込んでいる。そのため、エントリー平均社数は年々減少して、企業にとっては母集団の不足に繋がっていると推察できる」としている。

【図4】<総合職・学卒生について>初任給の引き上げ実施有無(n=2,014)
【図4】<総合職・学卒生について>初任給の引き上げ実施有無(n=2,014)

   つぎに採用企業で初任給の引き上げ実施有無を聞いた。その結果は、初任給を引き上げた企業は全体の「70.0%」となった(n=2014)、逆に引き上げなかった企業は「30.0%」となった。

【図5】(初任給の引き上げを行った企業限定)初任給の引き上げ額
【図5】(初任給の引き上げを行った企業限定)初任給の引き上げ額

   さらに、学部卒生の総合職採用で初任給の引き上げを行った企業のうち、引き上げ額の割合が高かったのが、「5000円~1万円未満」で「36.0%」となった。次いで「5000円未満」が「29.3%」となり、「1万円~2万円未満」は「24.7%」に上った。

【図6】(初任給の引き上げを実施した企業限定)初任給の引き上げを行った理由
【図6】(初任給の引き上げを実施した企業限定)初任給の引き上げを行った理由

   また、引き上げの理由について聞くと、「給与制度の見直しで全社員の給与を引き上げたため」(53.0%)が全体で最多となった。次いで「求職者へのアピールのため」(48.8%)がつづき、「他企業が引き上げをしているため」(35.6%)となっている。

   今度は、上場企業の結果を見ると、「給与制度の見直しで全社員の給与を引き上げたため」は「63.0%」と平均よりも高くなり、次いで「定着率を高める・離職を防ぐため」が「44.1%」を占め非上場企業よりも高くなった。

   マイナビは、

「採用競争が激しくなっている就活生へのアピールはもちろん、従業員全体のモチベーションや定着率向上・離職防止も意識しながら給与制度の見直しに繋がった企業が多かったようだ」

   とコメントしている。

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