巨大IT企業への課税強化する「デジタル課税」、OECDが条約案 2025年の発効へ、各国の利害も錯綜...焦点は米国の動向

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対象企業のほぼ半分は米国企業 米国の批准なしに、条約発効は望めず EUは独自課税の導入を凍結中

   実現に向けて、最大の焦点が米国の動向だ。

   トランプ政権時代には交渉が滞っていたが、バイデン政権がギアチェンジし、21年の基本合意、そして今回の合意を導いた。ただ、議会で条約を批准するには、上院で3分の2の賛成が必要だ。

   与党の民主党と野党の共和党の勢力が拮抗しているなか、共和党は「米国企業の利益が国内法や二国間条約に反する形式で課税される」などと反発している。

   課税対象の世界100社程度のうち、ほぼ半分は米国企業が占める見通しで、条約発効条件は未定なものの、米国の批准なしに条約発効は望めないのが実態だ。

   デジタル課税については欧州連合(EU)が独自の課税に動き、OECDを中心に多国間の課税実現を条件に、独自課税を凍結している。

   米国批准の見通しが立たない場合、それぞれの国がバラバラに、勝手に課税に動き、企業活動に混乱をきたす懸念もある。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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