こんにちは、ブロックチェーン関連の技術やプロジェクトを調査しています、ブロックスタです! 当コラム【仮想通貨通信】では最先端のちょっととっつきづらかったりする情報をわかりやすくお伝えして行きます!
さっそくですが、みなさんは「ワールドコイン」を耳にしたことはありますか?
最近、テレビのニュースなどでも取り上げられ、AI時代の「仮想通貨」として大きな注目を集めています。「Twitter」あらため「X」では、こんな投稿が。
話題を集めたのは「謎の長い行列」。
仮想通貨なのに...。これはいったい、なんなのでしょうか?! それでは今回は、謎の行列の正体と、ワールドコインの特徴について解説していきます。
この「行列」の目的は?
これほどにまで長い行列に並んでいる目的は「ワールドコインを無料でゲットする」こと。
現在の価格では、7000円分程度のワールドコインを獲得できるようです。
行列の先には「オーブ」という機械があります。そして、ユニークなのは、眼球の奥の「虹彩(こうさい)」と呼ばれる模様を撮影することによって、ワールドコインを獲得できるのです。
なんだかちょっと面白そう、と興味を抱くと同時に、不安も感じますよね。
それほどまでにして欲しいと思わせる仮想通貨「ワールドコイン」とはいったい、どのような特徴があるのでしょうか。
そもそもワールドコインとは?
ワールドコインは2020年にスタートした仮想通貨プロジェクト。開発の中心メンバーはChatGPTで広く、その名が知れ渡ったopenAI社の創業者サムアルトマン。
ワールドコインには以、下の3つのような特徴があります
・世界的なベーシックインカムシステムを視野に入れている
・AI時代を見据えた虹彩の生体認証
・世界初の全人類対象のエアードロップ
さて、ワールドのコインの特徴を交えながら、開発の背景についても簡単に解説しましょう。
chatGPTなどの技術で「AIの発展により自分の職がなくなってしまうのではないか」と不安を感じた方も少なくないのではないでしょうか。
そこでchatGPTの開発者でもあるサムアルトマンは、考えました。――AIが発展し、多くの人が職を失ったとしても、生きていくだけに最低限のお金を定期的に配るシステムが必要ではないか、と。
しかし、AIの脅威はグローバルな課題で国別に対策していても、そう簡単に対応できるものではありません。したがってサムアルトマンは、AIの開発者として自らがそうした世界的なシステムを構築しようと考えました。
とはいえ、全世界80億人を調査して把握すること。また、アカウントを付与して、パスワードを管理することなど正直不可能に近く、大変なコストがかかります。
思えば、戸籍情報が厳格に管理されている日本においても、マイナンバーカードの普及に際して、さまざまな課題に直面しつつ、でも大量のコストを投入してもなおうまくいっていないのが現状。
ワールドコインもこれと同じ。ただ、インフラも整っていないような国も含め、マイナンバーカードの普及と同じようなことを行うのがどれだけ大変か想像できるでしょう。
そこでサムアルトマンが目をつけたのが、個人個人がオリジナル、かつ、重複のない「虹彩の模様パターン」。これを撮影して、全世界の人間を把握しようとしているわけです。
網膜の画像を撮影することでIDやパスワードの管理など一切なしに運用できますし、カードのようになくすこともないので、合理的といえば合理的ですよね。
さらにAI時代の到来によって、人間とAIの区別がつかなくなることも十分考えられますから、そうした観点からも有効なものといえるでしょう。
リスクはないのか? 有名投資家も注目!
そんな特徴をもったワールドコイン。懸念やリスクがあるでしょうか。
きっとここまでお読みのあなたも「なんとなく不安」「ちょっと抵抗ある」と感じたことでしょう。
同プロジェクトによると、ゼロ知識証明というブロックチェーンの技術を活用して、絶対的なセキュリティ、プライバシーを確保すると主張しています。
しかし、個人に1つしかない虹彩という個人データを起点に、多様な個人情報を一民間団体が紐づけるのはなんだか気持ちの悪さが残ります......。
とはいえ、a16zをはじめとする多くの有名投資家らが、300億円近い投資をしている模様。このことからも、評価の高いプロジェクトということがわかります。
◆まとめ
今回は、謎の長蛇の列で話題になった「ワールドコイン」について解説していきました。
これはいつものことですが、メリットやデメリットをきちんと理解したうえで、ワールドコインの給付イベントに参加するか決めたいですね。(ブロックスタ)