つべこべ言わずに早く動こう! 革新的な「営業テクニック」はないのだから...【尾藤克之のオススメ】

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   ビジネスで最も大切な要点は、営業力である。しかし営業活動を苦行と考える人が多い。嫌々やっていても成果は上がらないだろう。

   今回紹介する本書は、経営者や自営業、フリーランス、副業をされている方や始めようと思っている方に向けた解説書である。「売ること(営業活動)が楽になる考え方」をわかりやすく解説している。

『らくらく売る人のアタマの中』(今井孝 著) ぱる出版

売れている人とは、実は「普通の人」

「お客様に愛されてお客様が来る」
「自分の商品やサービスの売上が増えて収入も増える」
「営業マンの成績が上がって給料も上がる」
「お客様に喜ばれて感謝される」

   これらを実現するために必要なことはいったい何か? 著者の今井さんは次のように解説する。

「営業や集客は苦手なんだよなと、思っている方も安心してください。私のクライアントの多くも『売るのが苦手』と言っていましたが、どんどんうまくいくようになりました。主婦が100人以上の人を集客したり、売れなかったアロマの先生が生徒さんを集め、さらには出版するほどになった例もあります」(今井さん)
「今は講師として人の集め方や商品の売り方を講座で教えるようになり、毎年100人以上の方に集まってもらっています。そのような話をすると、『集客方法や営業のテクニックを教えてください』と、多くの人は言います。ちょっと待ってください。集客や営業の方法をお伝えしたら、あなたは本当に成果を上げるのでしょうか?」(同)

   今井さんは、伝えた方法を実行するかという点に懐疑的なのである。誰もが、営業・集客ノウハウを実践すると言い、誰もが詳しい話を聞きたがる。そこに問題が潜んでいる。

「なぜなら、『やり方』さえ知ればうまくいくと思っているからです。しかし、いざ、そのやり方を教わっても、行動に移さなかったことはないでしょうか? 『SNSはやってみたけど集客につながらなかった』『自分でポスティングなんてしているの?』『もっと楽な方法だと思っていた』などとガッカリするのです」(今井さん)
「そして、こうも思ってしまうかもしれません。『普通のことしか教えてくれない』『もっと簡単ですぐに結果が出る方法があるに違いない』『成功している人しか知らない特別なことを教えて欲しい』。しかし、本を読んでも、学びに行っても、成功している人に話を聞きに行っても『画期的で特別な方法』は見つかりません」(同)

企画書の見栄えよりも、営業量!

   売れている営業マンや、成功している社長が特別なことをしているのだろう、と考える人は多い。しかし、それは間違いである。私は某外資系コンサルティング会社に勤務していたことがある。世界50か国で展開しているグローバルなネットワークに特徴があった。

   自分語りをさせていただくと、私はその会社で毎年、トップコンサルタントとして表彰されていた。ある年度では世界1位になったこともある。日本がヘッドオフィスであるから日本で1位=世界1位になるわけだが、特別なことをしたわけではない。ほとんどのコンサルタントは前年度実績をベースに見込みを立てていた。私は新規開拓のみで世界1位になっていた。

   成果に乏しいコンサルタントは、仕事のクオリティを口にする。企画書の見栄えがどうたらとか、トークがチャーミングだとか......。そんなことよりも私は、営業量を主張した。そして実際に私は、当時は所属する平均的コンサルタントの2倍以上の圧倒的な量を誇っていたのである。ただしその分、精神的肉体的にも疲弊することも多かったわけだが......。

「メンタルブロック」を外す

   今井さんは、本書の中で「売ることへの心のブレーキを外す」ことの重要性を解説している。書籍内では「メンタルブロック」という言葉が使われている。これは「行動を妨げる思い込み」という意味である。

   成功している人の考え方をひも解くことで、営業・集客の成功に欠かせない思考法を学ぶことができるだろう。売ることが苦手になる要因を理解することで、コツが理解できるようになる。この本を読むことで、あなたもトップ営業マンになれる?(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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