まるでAI営業部長?! 商談を科学するAIソリューション「Front Agent」がすごい! 企業の生産性を高める真の手助けに/Umee Technologies・新納弘崇CEO

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日本社会は「先行投資」が下手!?

   インタビュー終盤、新納さんは日本社会への「提言」を口にし始めた。

――話が変わって、ソリューション開発でつらいことってありませんか?

新納さん そうですね...開発ではあまりありませんが、会社経営の面では苦労はあります。やはり、事業計画を出す際に数字が積めていないものしか出せないときですかね。ちなみに日本と海外(とくに、起業やベンチャーに好意的なアメリカ)を比べると、「数字が積めていないこと」に関して言えば、日本の方がつらいかもしれません。

――それはなぜでしょう?

新納さん 日本ではやはり、資金集めの際に「数字ありき」なところがあって、スタートアップ企業が苦労する傾向はアメリカよりも強いと思います。
特に、弊社のような「ディープテック」のベンチャーは資金集めに苦労します。この傾向は...やはり、日本は先行投資への動きが鈍い国だと言えるでしょうか。
個人的には、日本の「失われた30年」は先行投資が苦手な日本の風土が影響しているのかもしれない...と思ったりもします。

――最後の質問になりますが、新納さんはAIを活用してどんな社会にしていきたいとお考えでしょうか?

新納さん 「Front Agent」を通じて、理想的な姿として、あらゆる状況下でのコミュケーションの助けになることを目指したいですね。Z世代、もしくは、これから生まれてくる方々は、今よりもはるかに高いレベルのコミュニケーションが求められるような気がします。
背景として、今後の人口が減っていくトレンドの中で、GDP(国内総生産)を維持するには、コミュニケーションを向上させることで生産性を上げていくことが、どうしても必要になると考えられるからです。

――なるほど。

新納さん もう少し語らせていただくと、現状、少子化が加速的に進んでいる日本では、下の世代であればあるほど1人でたくさんの高齢者を支えることになるので、社会保障費をはじめとする負担が大きくなっていくわけです。それはすなわち、1人1人が生産性を上げてGDPを増やし、この国の財政を支えていかなければならないことを意味します。
そう考えると、働く人は合理的な行動が求められますし、あるいはマルチタスクで仕事をこなしていくことがより求められるかもしれません。その解決策として、AIを活用することで、人間の能力を拡張していくこともまた、必要な世の中になっていくのかもしれませんね。

――新納さんの異色の経歴に始まり、そして「Front Agent」の開発秘話ばかりか、最後は「未来予測」まで多岐にわたるお話をありがとうございました。

(構成/J-CAST 会社ウォッチ編集部 坂下朋永)

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