少数派の所得の高い層が平均額を引き上げているが、平均を下回る世帯は61.6%という実態【日本の姿2:所得・貯蓄・借入金】(鷲尾香一)

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子どものいる世帯の母「仕事あり」75.7%...20年前と比べ20%近く高まる

   そこで、世帯主の年齢階級別に1世帯当たり平均所得金額をみると、「50~59歳」が742万1000円で最も高く、次いで「40~49歳」、「30~39歳」となっており、最も低いのは「29歳以下」の377万5000円となっている。(グラフ2)

   1世帯当たり平均所得金額では、「子どものいる世帯」が最も所得が多かったが、年齢階層別の平均所得額からわかるように、子どもが生まれる世代の20代・30代ではなく、40代・50代で子どものいる世帯が、「子どものいる世帯」の平均所得を引き上げている姿が見て取れる。

   それでも、相対的に見て「子どものいる世帯」の平均所得が高いのは、「共働き世帯」の増加によるものだろう。

   「子どものいる世帯の母の仕事状況」をみると、2004年には56.7%だった「仕事あり」は2022年には75.7%にまで増加している。子どものいる世帯の8割近い世帯が共働きとなっている。

   「仕事なし」は2004年の43.3%から2022年には24.3%と半減している。さらに、仕事を持っている母のうち「正規雇用者」は2004年の16.9%から2022年には30.4%へと倍増している。「非正規雇用」の2004年の26.2%から2022年には36.4%へと増加しており、母の多くが仕事をしている姿が鮮明に見て取れる。(グラフ3)

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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