日本自動車工業会(自工会)が全国のサーキットの「楽しみ方」を公式ブログで取り上げ、紹介している。
夏休みに向け、親子連れのファミリーを意識し、「サーキットにはレース観戦以外にもさまざまな楽しみ方がある」として、ミュージアムや体験イベント、カフェなど盛りだくさんの内容となっている。
富士モータースポーツミュージアム、小学生の博物館入館料は無料に
自動車やバイクメーカーは自社のモータースポーツの活動拠点として、ホームグラウンドとなるサーキットを運営することが多い。
トヨタ自動車の「富士スピードウェイ」(静岡県小山町)、ホンダの「モビリティリゾートもてぎ」(栃木県茂木町)と「鈴鹿サーキット」(三重県鈴鹿市)、ヤマハ発動機の「スポーツランドSUGO」(宮城県村田町)、川崎重工業(カワサキモータース)の「オートポリス」(大分県日田市)などが有名だ。
このうち、富士スピードウェイは東名高速道路を利用すれば首都圏から近く、中京圏からもアクセス可能とあって、トヨタは「富士モータースポーツフォレスト」として整備を進めている。
2022年10月には「富士スピードウェイホテル」と「富士モータースポーツミュージアム」がオープン。富士山を眺め、サーキットを見下ろせる9階建てホテルの1~2階が博物館というユニークな施設だ。
この博物館は国内外の自動車メーカー10社が連携し、トヨタに限らず、ライバルメーカーの車両も展示している。
トヨタは「夏休み企画」として、通常は宿泊者のみ利用可能な温浴施設を日帰りでも利用できるようになる。夏休み期間中は小学生の博物館入館料を無料にするサービスもある。
ホンダ、カワサキ、ヤマハ発も...サーキットに併設されたレジャー施設がアツい!
ホンダは1997年開業の「ツインリンクもてぎ」を2022年3月に「モビリティリゾートもてぎ」にリニューアルした。
グランピング(ホテル並みのサービスを野外で楽しむ豪華なキャンプ)ができるキャンプ場やホテルを備えている。ホンダは「伝説のF1マシンなど300台を展示する『ホンダコレクションホール』がお薦め」という。
ホンダのもう一つの「聖地」、鈴鹿サーキットでは伝統の「鈴鹿8時間耐久レース」が8月4~6日に開かれる。
レース観戦はもちろんのこと、「広大な敷地には遊園地、プール、ホテルなど施設が充実し、一年を通してレジャーを楽しむことができる」という。
このほか、カワサキはオートポリス内のオフロードでバギー走行を体験できる「オフロード・バギー・ヴィレッジ」を23年1月にオープンした。今夏は初の夏休みとなる。「水路、砂地、丸太など11のコースがあり、インストラクターの指導のもと、運転体験や同乗体験ができる」という。
同ヴィレッジには宿泊ロッジやキャンプエリア、バーベキューエリアなども備え、「自然を満喫できる」と、カワサキはアピールする。
一方、ヤマハ発はスポーツランドSUGO内に「SUGO CAFE」を23年4月にオープンした。「女性やファミリーなど新しいモータースポーツファンの需要を創造する」のが狙いという。地元・村田町特産の発酵食品を活用したメニューが特徴だ。
夏休みに向け、自工会は「サーキットにはさまざまなレジャー施設があり、レース以外の楽しみもいろいろある。ぜひ一度、足を運んでみてほしい」と話している。(ジャーナリスト 岩城諒)