【物流の2024年問題】警察庁、高速道路のトラック「80キロ規制」緩和を検討 だが、安全面など懸念は強く、賛否両論は必至

運送業界からは反発も 運送時間短縮の効果は、ドライバーの賃上げなどに活かされるか?

   ただ、運送業界の中には反発も根強い。

   ある業界関係者は「規制が緩和されれば、荷主から、より早く配送するよう求められ、ドライバーのストレスは増すだろう。働き方改革の本筋から言ったら、本末転倒ではないか」と話す。

   もともと、トラック運送業の7割超は中小零細企業で、荷主に対して力関係が弱いという構造的な問題があり、慎重な対応を求める声は少なくない。

   速度規制の緩和など小手先の対応ではなく、「賃金を上げるなどドライバーの待遇自体を改善して、なり手を増やす対策こそ進めてほしい」という要望も強い。

   一方、人身事故が減少傾向にあるとはいえ、一度事故が起これば普通車以上の被害が生じるのは目に見えており、「安全性を確保する面から見過ごせない」という一般市民の声も出ている。

   7月末から始まる有識者会議では賛否両論が出るのは必至とみられ、意見集約が可能なのか、今から懸念されている。(ジャーナリスト 済田経夫)

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