「高齢者世帯」では61.5%が「要介護者がいる」...20年前と比べ25%近く高まる
高齢者化、高齢者の増加は、「介護」という深刻な問題を引き起こしている。 要介護者がいる世帯を世帯構造別にみると、「高齢者世帯」では、2001年に35.3%だったのが、2022年には61.5%と、高齢者世帯の6割を超える世帯に要介護者がいる。
「核家族世帯」でも、2001年の21.3%から2022年には42.1%に、単独世帯でも同15.7%から同30.7%に要介護者のいる世帯の割合が高まっており、高齢者の介護は大きな社会問題になっている。(グラフ4)
これら要介護者の介護状況をみると、同居者が介護を行っている割合が45.9%、別居者が行っている割合が54.1%となっている。同居の主な介護者では「配偶者」が22.9%で最も多く、次いで「子ども」が16.2%となっている。一方、別居者では、「事業者」が15.7%で最も多く、次いで「別居の家族等」が11.8%の順だ。(グラフ5)
同居者なのか、別居者や事業者が介護を行うのかは別として、要介護者がいるということは、日常生活に大きな負担となることに違いない。特に、高齢者世帯や核家族の増加によって、いわゆる「老々介護」が増加している。
要介護者と介護者の年齢の組合せをみると、「60歳以上同士」の割合は2001年の54.4%から77.1%に、「65歳以上同士」は同40.6%から63.5%に、「75歳以上同士」は同18.7%から35.7%と大幅な上昇傾向にあり、深刻な問題となっている。(グラフ6)
今回は世帯の状況から少子高齢化の進展状況を見た。次回は、所得の状況を通じて、生活感に焦点を当てることにする。【つづく】
<少数派の所得の高い層が平均額を引き上げているが、平均を下回る世帯は61.6%という実態【日本の姿2:所得・貯蓄・借入金】(鷲尾香一)>に続きます。