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米国証券取引委員会とリップル社の長期間の訴訟、一部リップル勝訴で話題に
さて、2023年7月13日米国証券取引委員会(SEC)とリップル社(XRPの発行者)の間で起こっていた3年にわたる長期間の訴訟は、一部リップル勝訴という判決が下りました。
裁判の内容としてSECは、XRPが証券であると主張し、リップル社が未登録の証券の販売を行ったことに対して同社とその幹部を提訴していました。
一方のリップル社は、XRPが証券ではなく国際送金を目的として通貨であると反論し、SECの主張は法的根拠がないと主張していました。
判決では、機関投資家に対する販売が有価証券の取引であった、とSECの主張を認めた一方で、XRP自体は有価証券には当たらないとして、大部分でリップル社の主張を認めました。
この思わぬ大勝利の結果、XRP(リップル)の価格は大幅に上昇。なんと、前日比70%以上の急上昇。ETH(イーサリアム)など、他の銘柄にも好影響を及ぼし、直近の1週間で多くの仮想通貨が値を上げました。
さて今回は、裁判の過程においてリップルが証券なのかどうなのかを判別するテストとして注目を集めた「Howey Test(ハウイテスト)」と、その起源にフォーカスしていきましょう!
そもそも「有価証券」って何?
リップルとSEC両者の主張を理解するには「有価証券」の定義を知ることが重要です。結局のところ、SECとリップルの争点は「有価証券に該当するか否か」だからです。
なぜそこにこだわるかと言うと、有価証券に該当するか否かで、受ける規制・販売に際しての自由度などが大きく異なるからです。
もし仮に、とある商品が有価証券にあたるのであれば、証券法の規制を受けて、米国証券取引委員会(SEC)が管轄することとなります。一方で仮に、有価証券だと認められず、「コモディティ」に該当するのであれば、米商品先物取引委員会(CFTC)が管轄することとなります。
管轄官庁の縄張り争い的な性質も強く、一概にどちらがいいと単純にいうことは難しいところがあります。しかし、これまでの推移を見ていると、CFTCのほうが仮想通貨に対して好意的な姿勢を見せており、証券ではなくコモディティとしての立ち位置を確立したほうがよいのでは、といわれています。
さて、この「証券なのかそうではないのか」を決めるのは、どのような指標にもとづいて決定されるのでしょうか。
もちろん最終的には、今回のリップルのように裁判において判断を仰ぐこととなるのですが、その商品が証券か否かを判断する指標として、「Howey Test(ハウイテスト)」と呼ばれるものがあります。
この「ハウイテスト」とは何か――。<オレンジ果樹園が発祥だった!? リップルの証券性を占った「ハウイテスト」とは何か?【仮想通貨通信vol.15 後編】>では、「ハウイテスト」の発祥と、具体的な方法について学んでいきましょう。(ブロックスタ)