ビジネスパーソンにとって30代、40代は、上司もいて、部下もいて、あるいは周囲の活躍も気になって...という悩み多き世代ではないでしょうか。
当コラム「その仕事の悩み、こんなふうに考えてみよう。」では、キャリアや生活にまつわる悩みに、組織や人材開発、コーチングに詳しい「ひろ子ママ」が、アドバイスやエールをお送りしていきます。
◆きょうのお悩み
きょうはEさんが、こんな悩みを抱えていらっしゃいました。会社でも業務の効率化のために業務改善が進められています。これまでは他部署にわざわざ聞きにいかないと分からなかったことなども、システム上で簡単に処理できてしまいます。手間もかからなくなったし、時間も短縮されたし、いいことばかりではあるのですが、ちょっとした雑談の時間(他部署に行く時間)なども減ってしまって、寂しさも感じています。この先も効率化の流れは進むでしょうから、こんなことも考えないように慣れてしまうのかな。
「効率重視」の世の中 仕事だけでなく、人生にも
最近は、デジタル化やDX、AI、ChatGPTなどといった言葉は誰もが一度は耳にしたことがあるくらい浸透してきましたよね。今後も効率重視に向けた世の中の流れは変わらないと思います。
ただ、業務の効率化や忙しさの改善ためにツールを入れて業務の効率は進んだけど、空いた時間に他の仕事が増えてしまい、忙しさは前と変わらない、という話も聞きます。
忙しさを減らす目的だったのに、時間が空くと人は詰め込みたくなってしまうんでしょうね。心の豊かさとはかけ離れていると感じます。
私も先日、20代の若手と話をしたのですが、「仕事選びも失敗したくない。効率よく最短のルートで進みたい」と言っていましたね。
このように、仕事だけでなく人生にも効率を求めている傾向もあるようですね。私は、少しくらい失敗した方が、人生のネタや人生に厚みが出ていいんじゃないって、思ってしまいますが、どうなんでしょう。言いませんでしたけどね。
Eさん、世の中の流れだけに従っていたら忙しさからは抜け出せないので、効率の先に自分が求めるものを一度考えてみるのも、いいかもしれません。
ムダを省くことも大事だけど!
コロナ禍でリモートワークが浸透し、「ムダを省こう」みたいな空気感も広がったと思います。
・ムダな会議
・ムダな飲み会
・対面の打ち合わせ
・ムダな通勤時間
やってみるとすべてがムダではなく、必要なことを見つけた人もいるのかもしれません。
Eさんが言っていたように、他部署での雑談の時間は、コミュニケーションも取れましたし、業人脈づくりの時間になるなど、けっこう大事だったのではないでしょうか。
私も顔見知りの人からの依頼の方が、無意識に優先順位を高くすることはありますね。なので、あえて「ムダな時間」を取り入れてもいいと思います。
日常でも以下のようなムダを省く行動がありますよね。
・観光名所をリサーチして旅行計画を立てる
・買い物もリサーチして欲しいものだけを購入する
先日、リサーチもしないで観光地図を見ながら、行き当たりばったりのハイキングに行きました。
・道を間違え大回りした
・歩く時間が増えた
・大回りしたため、お店が閉まってしまいお昼ご飯を食べられなかった
・唯一空いていたお店はちょっと高めの価格帯だった(サイダー1本400円など)
・歩きすぎて疲れた
上記のように、マイナスに見える点もあれば、以下のようにプラスになった点もあります。
・時間を気にしないで過ごせた
・人が歩かないようなトンネル道を楽しめた
・「たまにはいいか」と値段を気にせず買い物できた
・空腹にサイダーがおいしかった
時間やお金の節約とはかけ離れますが、ムダを楽しむことは心の充実になりますね。常にお腹いっぱいだと、いくら美味しいものを食べても、「美味しい」とは感じませんよね。空腹だからこそ、サイダーのおいしさを楽しめたんだと思います。
「忙しさ」「効率のよさ」がずっと続くと、しんどい
節約も大事なので、欲しいものだけ購入するということが悪いわけではありません。そんな中、たまにはムダを楽しむのもありです。あまり張り切りすぎはいけませんけどね。
・お店を一通りまわってみる
→商品のトレンドが見えてきます。美味しそうなものがあり誘惑がたくさんありますが、たまには新しいものに挑戦するのもありです。
・たまには衝動買いをしてみる
→あまり買い過ぎはダメですが、多少の衝動買いはストレス発散にもあります。買い物の失敗も人生の糧になりますよ。
私も「忙しい」と人生が充実していると感じてしまうこともありますが、「忙しさ」「効率のよさ」がずっと続くと、しんどさになっていくのではないでしょうか。Eさんも効率の中にも「ムダを楽しめる」空白を持って人生楽しんでいきましょう。(ひろ子ママ)