個人にも必要な「資本蓄積」とは?
個人にも「資本蓄積」だという考え方が新鮮だ。これは、経済学の父アダム・スミスを参考に、
「個人の成長率=アイデアや技術の進歩+資本の変化率+就業時間の変化率」
という式を掲げている。
就業時間と資本が増えないのであれば、アイデアや技術の進歩の増加が必要だ。そのため、「キャリア資産のバランスシート」という表をつくり、検討している。
意外なのは、学歴や肩書を「負債」と定義していることだ。
ミドル世代では、肩書や学歴を使って実際にどんな成果を挙げてきたのか。および、今後どのような成果が挙げられる可能性があるのかが問われる。「もはや名刺が表示しているのは負債であって資産ではないという意識を持つべき」と書いている。
肩書を通して何をやってきたのか、肩書を得る過程で何を成しえたのか、についての回答があなたの「資産」だという。
後半は、いよいよ具体的な成長戦略を示している。その根幹は、自分の壁を壊すことにあるという。「23の成長戦略」の中から、いくつか紹介しよう。
〇お金とデジタルの「壁」を壊す
・「ふるさと納税」をする...必要な確定申告などの手続きをすることで税の知識が身に付く
・ねんきん定期便に目を通す...年金受給見込み額を知ることで長期計画を立てる
・10万円、預金から有価証券投資に変える...投資に振り向けて資産を育てる
・サブスク強者になる...雑誌のオンライン購読のメリットを知る
〇「敵」を知る
・ライバル企業の顧客になる...自分の手法が時代遅れになっていないか確認する
・新規上場会社を分析する...どのような新しい産業が生まれているのかを把握する
・上司ではなく、社内を見渡す...部署横断的な新規事業プロジェクトにエントリーする
〇健康資産を増やす
・睡眠時間を基本に1日のスケジュールを組む...まず就寝時間を設定する
・運動で老化を遅らせる...運動によって身体面の老化が防止され、タイムマネジメントも
〇変化するために動く
・職場以外で役員になる...組織の看板なしに何ができるかを知る
・「1日5アポ」をやってみる...自分自身に外的ショックを与える
・資格・肩書を断捨離する...資格へのこだわりがキャリアの可能性を狭めることもある
・未来を考える10分間を持つ...自分が思い描くキャリアプランやビジネス構想を考える