中国不動産大手の超ド級赤字が、金融危機の導火線に? エコノミストが指摘「世界が高インフレと戦うなか、中国だけデフレ」「日本株は来年急降下する?」

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中国の不気味な経済指標、日本株は来年急降下する?

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東京証券取引所

   さて、中国経済の減速は日本経済にどんな影響を与えるだろうか。現在、絶好調の日本株の失速につながりかねない、と懸念を示すのが第一生命経済研究所主席エコノミストの藤代宏一氏だ。

   藤代氏はリポート「経済の舞台裏:不気味な日本株の先行指標 今一つ膨らまない中国のおカネ」(7月18日付)のなかで、「中国の物価指標はCPI(消費者物価指数)が0.0%、PPI(生産者物価指数)がマイナス5.4%と、『一人デフレ』とも言うべき状況にあり、今や世界に向けてデフレを輸出している」と指摘したあと、こう述べた。

「ここで日本株へ与える影響を考えると、中国国内の新規貸出動向を示すクレジットインパルス(新規与信のGDP比)の低下が気になる」

   クレジットインパルスとは、名目国内総生産(GDP)に対する新規貸し出しの伸びを示しており、6か月~12か月後の株価に先行する鏡とみられているのだ。【図表2】の青線グラフ(融資承認DI=指数)がクレジットインパルスの動きを示している。

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(図表2)中国の融資承認DI・預金準備率(第一生命経済研究所の作成)

   藤代氏は、こう説明する。

「クレジットインパルスは2022年入り後、上向きに転じた後、2023年は横ばい圏で推移していたが、直近数か月は下向きの曲線を描いている。このクレジットインパルスは過去10年程度、日本株の先行指標(12か月程度先行)として上手く機能してきた経緯があり、今回も過去の経験則が当てはまるならば、日本株は2024年入り後に上昇の勢いを失うことになる」
「こうしたマネーの伸び率鈍化は、社会融資総量(銀行貸出+銀行以外のシャドーバンクなどからの調達、株式・社債発行など)でみても同様であり、それは中国経済の減速を通じて日本株を下押しする可能性がある。米国経済のソフトランディング期待の高まりや日本企業の変革など日本株を押し上げる材料が複数存在するなか、中国のマネー拡大ペースが鈍化していることに留意したい」

   たしかに、現在の日本株急上昇の動きは、2022年入り後に上昇に転じたクレジットインパルスの1年前の動きに似ている。今後、日本株が青線グラフどおりの動きになるなら、今年(2023年)後半に横ばいに転じ、来年(2024年)に入ると、急降下することになるが、果たして......。(福田和郎)

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