本当は怖いメールの誤送信...対応方法は「メールで謝罪」7割、「電話で謝罪」4割 だが、クレームや損害賠償請求に発展することも...

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   ついついやってしまうメールの送信間違いや添付ミス、ビジネスパーソンもヒヤッとした経験のある人は多いだろう。

   そんななか、法人向け電子メールのセキュリティ対策・コンプライアンス対策の専門企業・サイバーソリューションズ(東京都港区)は2023年6月29日、「企業のメールセキュリティへの取り組みに関するアンケート調査」を発表した。

   これによると、メール誤送信の内容では「間違った相手に送ってしまった」が25.9%となり、4人に1人が経験していることがわかる。また、「間違った情報を送ってしまった」は10.0%に上り、個人情報や機密情報を扱う場面では人為的な大きなリスクがあるようだ。

   一方で、メール誤送信の対応として「メールで謝罪した」(65.9%)、「電話で謝罪した」(37.1%)、「上司に報告した」(21.3%)というリカバリーできる場合と、「相手からクレームを受けた」(16.1%)、「損害賠償請求を受けた」(4.9%)、「罰則や懲戒処分を受けた」(4.1%)など重大事案に発展することもあるため、メール送信には注意したいところだ。

  • うっかりミスが重大事案になることも…(写真はイメージです)
    うっかりミスが重大事案になることも…(写真はイメージです)
  • うっかりミスが重大事案になることも…(写真はイメージです)

誤送信をしたことある25.9% 間違ったメール受け取ったことある31.0% 謝罪ですむ場合もあるけれど...

   この調査は、2023年1月6日から10日にかけて、全国の従業員数300人以上の企業に勤務する情報システム部所属社員にインターネット調査を実施した。有効回答数は1000人となった。

Topic1(サイバーソリューションズの作成)
Topic1(サイバーソリューションズの作成)

   はじめに、誤送信メールを送った経験について具体的な経験を聞いたところ、「送ろうとした人とは別の人に誤って送ってしまった」が「25.9%」となり、およそ4人に1人が送信先を間違えたことがあることがわかった。また、「送ろうとした情報とは別の情報を誤って送ってしまった」が「10.0%」、「BCCで送るべきところを誤ってTOまたはCCで送ってしまった」が「7.6%」という結果がわかった。

Topic2(サイバーソリューションズの作成)
Topic2(サイバーソリューションズの作成)

   続いて、誤送信メールを受け取った経験について聞いてみると、「別の人に届くべきメールが誤って送られてきた」は「31.0%」に上ることがわかった。次いで、「届くべき情報とは別の情報が誤って送られてきた」が「11.3%」、「BCCで届くべきところを誤ってTOまたはCCで送られてきた」が「9.7%」あることがわかる。

Topic3(サイバーソリューションズの作成)
Topic3(サイバーソリューションズの作成)

   つぎに、メール誤送信の対応について、最多となったのは「相手に謝罪メールを送った」が「65.9%」、「相手に電話で謝罪した」が「37.1%」、「上司に報告した」は「21.3%」となった。

   一方で、「相手からクレームの連絡を受けた」が「16.1%」、「相手に始末書または是瑛報告書などを提出した」が「6.0%」、「相手から損害賠償請求を受けた」が「4.9%」、「社内で何らかの罰則または懲戒処分を受けた」が「4.1%」と数値は低いながら、メール誤送信が大問題に発展することもあることがわかる。

人為的な誤送信メールをどう防ぐ? 送信メールの保留40.9%、添付ファイルの暗号化33.2%、上長の承認制20.6%

Topic4(サイバーソリューションズの作成)
Topic4(サイバーソリューションズの作成)

   かたや、企業の中でメール誤送信を防ぐシステムを導入していることもあるようだ(n=428)。調査によると、「システム上の誤送信対策を導入している」は「71.5%」、「特にシステム上の誤送信対策は取られていない」は「28.5%」に留まった。

   具体的なシステムを聞いてみると、「送信メールを一定時間保留した後に送信する」が「40.9%」、「添付ファイルを自動で暗号化する」が「33.2%」、「送信メールを上長が承認して送信される」が「20.6%」という結果になった。

   サイバーソリューションズでは「導入していない企業は28.5%とおよそ3割で、これらの企業はメールの誤送信対策のリスクに十分備えられているとは言えず、これらの企業の対策導入が期待されます」と説明している。

   最後に、サイバーソリューションズでは調査について以下のように総括している。

「Topic1と2から、電子メールの誤送信を経験したことがある割合は少ないものではなく、その中には『個人情報』や『会社が秘密にすべき情報』の送信など、重大な誤送信のケースも確認できました。誤送信の結果、Topic3から、取引先からクレームを受けたり、損害賠償の請求があったことも分かりました。このように、電子メールの誤送信は重大な問題となる可能性があるため、そのリスクは過小評価すべきではありません」
「電子メールの誤送信を防ぐうえで、従業員にいくら注意を促したとしても、人のミスを防ぐことには限界があります。そのため、システムで自動的に電子メールの誤送信を防ぐ対策の導入が有効です」

   こうした調査結果を受けて、同社では以下のようなメール誤送信の対策として推奨している。

●添付ファイルの自動暗号化:添付ファイル付きのメールを、自動でパスワード付きZIPファイルに変換して送信する機能。
●添付ファイル分離配送:メールに添付して送信されたファイルがクラウド上のストレージに自動的に保管され、ファイルのダウンロードURLが受信者に送られる機能です。
●メール送信の一時保留:メールの送信を一定時間保留することで、誤送信を未然に防ぐ機能。
●多数に送るメールのBCC強制変換:メール送信でTOまたはCCに指定した件数以上のメールアドレスが含まれる場合に、強制的にすべての宛先をBCCに変換して送信する機能。
●上長承認/自己承認:メールを送信する前に、上長または自身が承認画面にてメール内容の再確認をすることで、誤送信を未然に防ぐための機能です。
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