大阪・関西万博「黄信号」...パビリオン建設が遅れて、開幕に間に合わない? 八方塞がりにした「戦犯」は?

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建設費の高騰も一因だが...寄り合い所帯の博覧会協会、電通去って機能不全?

   理由の一つは高騰する建設費だ。

   資材費も人件費も上昇が続いており、凝ったデザインのパビリオンならば建設費が想定より膨張する恐れがある。参加国が日本のゼネコンに建設を打診しても、ゼネコン側が赤字を恐れて二の足を踏むケースが起きているという。

   こうした状況を受け、博覧会協会は7月、工事業者を協会側が確保して、発注を代行する案を参加国に提示した。博覧会協会としてはデザインを簡素化して、工期の短縮を図る考えで、8月末までを期限に、この案に加わるかどうかの回答を求めている。

   大阪市に申請しても、着工までは2か月程度かかる。

   博覧会協会は23年末までに着工できなければ、万博の開幕に間に合わない可能性を示しており、綱渡りのスケジュールだ。そもそも建設費の高騰は数年前には始まっており、関西では早くから懸念されていた。

   それでも問題が放置されてきた要因として関係者が異口同音に挙げるのが、博覧会協会の機能不全ぶりだ。

   博覧会協会は公益社団法人であり、そこで働く人は政府、関西の自治体、民間企業などからの出向者で占められている。会長には十倉雅和経団連会長、事務方トップの事務総長には元経済産業省キャリア官僚で、ナンバー2の経済産業審議官などを歴任した石毛博行氏が就いている。

   ただでさえ寄せ集めの組織であり、在阪の経済人は「意思決定が遅い」と嘆く。

   追い打ちをかけたのは東京オリンピック・パラリンピックを巡る談合事件だ。事件を受けて、行政機関が広告大手の電通や博報堂を指名停止にすると、博覧会協会からも広告大手からの出向者が軒並み引き上げたという。

   大規模イベントの運営に手慣れた人材を失い、博覧会協会はなすすべを失っているのが実態だ。

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