福島原発、処理水の「海洋放出」へ最終段階 工事は完了、IAEAも「国際基準に合致」のお墨付き だが、地元の反対、周辺国の懸念も強く...「夏」開始は実現されるか?

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「海洋放出」開始時期、「夏」にこだわるのは選挙への思惑か 岸田首相の決断は?

   だが、海洋放出するという政府の意思が変わることはない。

   時期については、「海水浴シーズンは避けた方がいい」との山口那津男・公明党代表の「不規則発言」もあったが、政府として「夏」にこだわり続ける。8月末~11月にかけ、岩手、宮城、福島の知事選や県議選が予定され、海洋放出が争点化しないよう、早めに実施したいとの思惑が取り沙汰される。

   岸田首相は秋の解散・総選挙を視野に入れているとされる。これも、選挙に影響を及ぼさないよう、早期に放出したい理由になる。一方、世論が反発して内閣支持率に響くようだと、秋の解散が遠のくとの観測もあり、「それらの要素を総合的に判断して、首相が時期を決断することになる」(全国紙政治部編集委員)。

   いずれにせよ、「地元の理解」のハードルは高いまま。漁協が受け入れる見通しが立たないなか、どう反発を最小限にとどめて押し切るのか。シナリオはなお闇の中だ。(ジャーナリスト 岸井雄作)

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