時間管理には「ソフト」と「ハード」が必要
高橋さんが指摘する脳型とは、PCでいうOSに近いものである。OSの機能を引き出すソフト(アプリ)がなければ、上手く機能しない。たとえば、「早くレポートを作成しなきゃ」と思いつつも、翌日になってしまった。本日締め切りの企画に手をつけられていないなどの経験はなぜ起こってしまうのか。
こうなってしまうのは、性格や能力ではない。脳が、面倒くさがっているからできないのである。つまり、脳からの伝達を速やかに動かすソフトがあれば、誰でも自分を動かすことができるようになる、ということでもある。
また、行動する際にあれこれ考えると、理屈で動けないことがある。そのようなクセのある人は、「即アクション」を心がければいい。いろいろと考えると動けなくなるので、すぐに動くことを意識すれば、行動に移すことは難しくない。また、高い結果を求めずに「60点でOK」を心がけて行動したことを評価していけば、思考もポジティブに変化していく。
本書は行動変容を学ぶためのメソッド集である。やりたいことがあってもなかなか行動ができず先延ばしにしているような人は気づきになるだろう。ステップバイステップで本書を読み進めるうちに、自然と従来の窮屈な時間管理方法の呪縛から解き放たれていく。まずは実践あるのみ、ぜひチャレンジしてもらいたい。(尾藤克之)