クレームを6種類に分類
災害やクレームを分類し、それぞれの対応を示しているのも実践的だ。
たとえば、災害を天災と人災の2つに分類。その2つをそれぞれに加害者の危機と被害者の危機の4つに分類している。
その4つをさらに、「人」「物」「金」「情報」の4つに分類すると、災害の種類×自分の立場×損害を受けるもので、全部で16の分野の危機があることがわかる。
また、企業へのクレームには6種類あるという。
1 勘違い (例)自動巻きの腕時計を買ったまま保管して「動かない」と言ってくる
2 ストレス発散 (例)何かささいな行き違いがあって、そのストレスをぶつけてくる
3 良心的 (例)不具合を修理して欲しい、という良心的な要求
4 平均的 (例)新品との交換を要求
5 厳し目 (例)新品との交換とともにわずかなお詫びの品を要求
6 法外 (例)新品との交換に加えて法外な迷惑料や慰謝料を要求
顧客と企業の間には常に、ギャップが生じる。そのギャップを埋める基準は「社会通念」だ。同業他社や似た商品の対応を伝えて、納得してもらう粘り強い交渉が必要だ。
一方、法外な要求に対しては、クレームの電話を録音して脅迫や恐喝の証拠を残し、弁護士を通じて、場合によっては警察に通報してもらう最終手段もあるという。
危機の本質を見極める4つの方法というのも参考になりそうだ。
1 被害者が社会的な弱者か否かを考える
2 社会の処罰感情が高い旬な事案かどうかを考える
3 自分の置かれている立場が、加害者の岸に近いか被害者の岸に近いかを考える
4 期待に反する度合いが、高いか否かを考える
これらを踏まえると、「折れる」「戦う」「かわす」「防ぐ」の4つのいずれかの対応が見えてくるという。