「期待していないサービス」を提供するには?
また、網野さんは、お客様のお誕生日に「おめでとうございます」とお祝いを伝えるのは、「期待どおりのサービス」だと言う。しかし、お孫様のお誕生日にも「おめでとうございます」と言えたとしたら、それは「期待を超えるサービス」になると指摘する。
「お客様からお孫様のプレゼントのご相談を承り、その履歴を控えておけば、1年後に『お孫様のお誕生日、もうそろそろですね』とお伝えすることができます。自分が大切にしている人や物を一緒に大切にしてもらったと実感したとき、人はとてもうれしくなるものです」(網野さん)
「さらに、自分が伝えたことを長い間ずっと覚えていてくれたということも、期待を超える心遣いにつながります。『期待していないサービスの提供』は、お客様との心の距離をぐっと近づけてくれます」(同)
お客様の記憶に残るサービスとは、お客様のことをよく知り、それをさりげなく提供する――。そうした積み重ねによるものでもあるのだ。