電話口の声と耳だけで、「期待以上」の接客をするには?【尾藤克之のオススメ】

「期待していないサービス」を提供するには?

   また、網野さんは、お客様のお誕生日に「おめでとうございます」とお祝いを伝えるのは、「期待どおりのサービス」だと言う。しかし、お孫様のお誕生日にも「おめでとうございます」と言えたとしたら、それは「期待を超えるサービス」になると指摘する。

「お客様からお孫様のプレゼントのご相談を承り、その履歴を控えておけば、1年後に『お孫様のお誕生日、もうそろそろですね』とお伝えすることができます。自分が大切にしている人や物を一緒に大切にしてもらったと実感したとき、人はとてもうれしくなるものです」(網野さん)
「さらに、自分が伝えたことを長い間ずっと覚えていてくれたということも、期待を超える心遣いにつながります。『期待していないサービスの提供』は、お客様との心の距離をぐっと近づけてくれます」(同)

   お客様の記憶に残るサービスとは、お客様のことをよく知り、それをさりげなく提供する――。そうした積み重ねによるものでもあるのだ。

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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