優秀な営業パーソンが、人と会う前に保湿クリームを塗る理由【尾藤克之のオススメ】

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   今回紹介する本は、苦戦している営業パーソンのスキルが上がり、そして結果を出してもらうためのスキル本です。営業にとって必要な基本スキルを、10章構成、100の法則で読みやすくまとめられています。どのような内容か探っていきましょう。

『営業スキル100の法則』(菊原智明著)日本能率協会マネジメントセンター

なぜ保湿クリームなのか?

   営業パーソンも見た目が大切です。著者の菊原さんがおススメする、見た目改善テクニックは「保湿クリーム」を塗ること。なぜでしょうか。

「知人の紹介で営業スタッフとお会いしたことがありました。健康を促進するための器具やサプリメントなどの商品を扱っています。しっかりと挨拶ができて、いい感じの人でした。共通の話題もあり、すぐに打ち解けたのです。健康系の商品を扱っているにもかかわらず、不健康な雰囲気では説得力がありません」(菊原さん)
「一方で、はじめはいい印象だったものの、この人からはあまり買いたくないという人がいます。その理由は肌が乾燥していて不健康そうに見えたからです。もう少し健康的な雰囲気でしたら、購入していたでしょう。見た目が健康そうかどうかということは、健康系の商品以外の商品を扱っている営業スタッフにも言えると思います」(同)

   何か検討するとしても、「いかにも不健康な人」から購入しないと思います。また、そのようなスタッフから話を聞きたいと思わないでしょう。菊原さんは次のように続けます。

「よほどその会社の商品を希望していない限り、『似たような商品があるし、他の会社にしよう』と思うものです。ハウスメーカーの営業スタッフ時代の上司は『お客様に会う前に保湿クリームをぬる』といったことを習慣化していました。その理由を聞くと、『顔にツヤがあった方が好印象だから』と言う理由でした」(菊原さん)
「時々ぬりすぎで顔がテカテカになっていることもありました。それはやりすぎだとしても、顔にツヤがあったほうがお客様受けはいいのです。保湿クリームをぬることはすぐにできるワザなので、ぜひすぐに試してみましょう」(同)

夏のおススメは「制汗スプレー」よりも、「コールドスプレー」!

   菊原さんのテクニックは、空気が乾燥する冬場がいいかもしれない。だが、いまは夏。連日のように猛暑が押し寄せている。このようなときには、何が必要か。筆者である私が愛用していたのはコールドスプレーである。野球などでデッドボールが当たると、痛みをとるために吹きかけるあのスプレーのことだ。

   真夏の暑い時期に、顔テカテカでお客様を訪問すると、不潔に見えてしまう。私がかつて所属していたコンサル会社は、企業の人事部がクライアントである。彼らはデスクワーク中心だから、真夏でも汗をかくことはない。そんな彼らに会うとき、見た目(清潔感)にはかなり気を使った。

   いま、コンビニでは制汗スプレーが売っているが、あの程度では効果があるとはいえないだろう。コールドスプレーを訪問する前に、ビルの下で10秒ほど吹き付ければ、スーツの下は「南極」の涼しさになる。しかし、かけ過ぎると凍傷になるので、そこは注意が必要だ。汗を確実に消し去ったあとで「あぶらとり紙」で念入りにケアをおこなう。これで完璧だ。

   どんなに仕事ができても、汗ダラダラでは暑苦しいし、仕事は来ない。なぜ汗をかいていないか訝しがられることもあるが、聞かれたらコールドスプレーの話をすればいい。それによってお客様は「立派な営業姿勢」だと評価してくれ、その後の商談もよりスムーズに進むこともあった。

   コンサル会社勤務のとき、筆者の部隊にはコールドスプレーを常備させていた。どんなに暑くとも上着を脱ぐこともなく、顔も髪もさらさら、お客さまの評価がまったく異なった。もうひとつ、スーツは安物でいいので、アイロンを掛けることを徹底した。

   コールドスプレーで汗を押さえる。スーツにはアイロンをかける。この2つのことに気を付けるだけで、相手に不快感を与えないどころか、高く評価される。それで、より営業成果が出るなら安いものである。さて、みなさんは清潔感をどのように演出しているだろうか。この機会に確認してもらいたい。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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