会費に差をつけるのは「派遣差別」「女性差別」「男性差別」?
――まあ、認知症の父母やペットの場合は、子どもよりもいろいろと難しい問題がありそうですね。
ところで、大企業の経験者などから、「飲み会に子どもOKはよくある」という指摘や、「子ども連れのことで目くじらを立てずに、もっと大らかになってほしい」という意見が目につきました。
川上敬太郎さん「派遣社員の方々がお子さんを連れて飲み会に参加すること自体に目くじらを立てているのだとしたら、器量が狭い印象を受ける人もいると思います。しかし、今回のケースについては、そもそも投稿者さんを含む送り出す側の金銭負担が大きすぎることが問題だと感じます。
ただでさえ、送別される側の人数が多くて持ち出しが多いのに、さらに派遣社員の方々が子ども連れで参加して、その分の飲み代も半分以上を負担しなければならない事情を踏まえると、投稿者さんが不満を持つのも致し方ないように感じます」
――そのことに関連しますが、会社の飲み会に派遣社員を呼ぶ・呼ばない、と区別したり、正社員と派遣社員の間で会費に差をつけたり、また、男性のほうが女性より額が多かったりするのは、イマドキ不公平、不平等であり、「派遣差別」や「女性差別」、あるいは「男性差別」にあたるのでは、という意見がかなりありました。
川上敬太郎さん「会費に差をつけることがよくないかどうかについては、一概には言えないと思います。ただ、雇用形態の違いによって飲み会の場に呼ぶか、呼ばないかという話と、会費に差をつける話は分けて考えたほうがいいのではないでしょうか。
本来、職場では雇用形態に関わらず、みんな同じ目的に向かって仕事に従事する仲間です。その点を踏まえると、飲み会に呼ぶか、呼ばないかは雇用形態で区別されるべきものではないと思います。
一方、会費については、人によって収入額が異なるだけに、差をつけたほうが納得感が得られる場合もあります。実際、管理職は多めに出すという職場は少なくないはずです。投稿者さんの職場でも、派遣社員の方々の会費が抑えられているのは、収入額の差からくる配慮なのだと思います。
しかし、今回のケースは、ただでさえ投稿者さんたちの金銭負担が多くなっている状況だけに、通常とは異なる配慮があってもよさそうに思います」
このあとも、川上さんのアドバイスが白熱します――。<「社員の送別会に子連れ、タダ食いの派遣女性ってアリ?」正社員男性の怒りの投稿が炎上! 非常識で図々しい?よくある話で大らかに?...専門家に聞いた(3)>にまだまだ続きます。
(福田和郎)