「就活燃えつき症候群」にならないコツ 「ポイントは『量より質』」と言われても...
私も経験したことがありますが、いい年になって不採用通知を次々に受け取ると、気持ちが相当へこみます。まだ社会人経験がなかった学生時代に比べて、不採用の衝撃をより敏感に感じるようです。
「就活燃えつき症候群」が増えるにつれて、その対応策を伝授するメディアも増えてきました。いくつか、ポイントを拾ってみましょう。
1つ目のアドバイスは、「Set time limit」(タイムリミットを設ける)です。
転職活動を始めると、どうしても時間が許す限り転職サイトを見てしまいます。気がつくと、ずっと転職サイトでジョブサーチをし続けたり、応募メールを送ったり、といった作業に没頭するはめになります。
専門家は、「1日のうちに、転職サイトを見ない時間を決めよう」とアドバイスしています。転職活動から離れて、リフレッシュする時間を設けることがキモだそうです。
2つ目のアドバイスは、「Boost Your Self-Confidence」(自己肯定感を高める)です。
履歴書を送り、企業からの返信を待つ間、自信を失ってしまうことが多々あります。専門家は、転職活動ではとにかく「Self-Confidence」(自己肯定感)を保つことが重要だと指摘しています。
元気が出る音楽を聴いたり、気持ちを底上げする本を読んだり、ポッドキャストを聴いたりして「自分は有能だ!」と信じることが大切!意図的に、自分の気持ちをコントロールしていきましょう。
「就活燃えつき症候群」になる原因の一つは、適していない求人に応募することだそうです。特に苦戦が続くと、自分のスキルや興味、価値観と一致しているかどうかに関係なく、手当たり次第に応募する傾向があるそうです。
基本的なことですが、応募をする前に自分に適しているかどうかを確認することも、有効な「燃えつき回避策」になるようです。
すべてのアドバイスに通じるのは、「it is essential to focus on quality over quantity」(量よりも質に焦点を当てること)でした。
100通の履歴書を送る代わりに、職種や企業について時間をかけて調査して、自分にあった求人に応募する方が良い結果を生むと、多くの専門家が指摘していますが、「それができれば苦労しないよ!」というのが、求職者の心の声ではないでしょうか?
海外エリートにじわじわと広がる「就活燃えつき症候群」。そろそろ日本にも上陸するのでしょうか? 究極の「買い手市場」を経験した「ロスジェネ時代」の再来は避けたいものです。
それでは、「今週のニュースな英語」は「burnout」(燃えつき)を使った表現を取り上げます。
The fire burned itself out
(火は燃え尽きた)
She quit her job because of burnout
(彼女は精魂つき果てて退職した)
I have not reached burnout
(私はまだ燃え尽きていない)
ちょっと前までは、歴史的な「売り手市場」を背景に、軽々と職場を去る「The Great Resignation」(大量離職時代)のワードがメディアを賑わせていましたが、求人市場のトレンドは一気に変わるものです。時代の波に翻弄されずに、自分が満足する働き方を見つけていきたいですね。(井津川倫子)