第一三共株、一時ストップ安...新薬の治験結果が期待外れで売り殺到 だが、足元の業績は好調...抗がん剤「エンハーツ」順調な伸び

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24年3月期連結決算の業績予...想最終利益5.3%増の1150億円見込む 抗がん剤「エンハーツ」の売上高は5割以上の伸び予想

   第一三共の足元の業績は好調だ。2023年3月期連結決算(国際会計基準)は、売上高にあたる売上収益が前期比22.4%増の1兆2784億円、営業利益が65.1%増の1205億円、最終利益が63.0%増の1091億円だった。

   抗がん剤「エンハーツ」は2020年に米国で販売を始めた新薬で、乳がんや胃がんなどの治療に用いられている。従来の薬より副作用を抑えつつ効果をあげていることで、投与が広がっている。23年3月期のエンハーツの売上高は2075億円で全体の16%程度を占め、全体の収益も押し上げた。

   24年3月期連結決算の業績予想は売上収益が前期比13.4%増の1兆4500億円、最終利益は5.3%増の1150億円。エンハーツの売上高は5割以上伸びる3200億円を見込む。

   こうした状況から4月下旬の決算発表直後の時価総額は国内製薬2位の武田薬品工業に2兆円近い差をつけて9兆円を超えていた。現状でも首位をキープしているが、7兆8000億円程度で、7兆円程度の武田との差は縮まっている。

   今後は、他にも進めているがん治療薬など新薬の開発の動向が株価のカギを握りそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)

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