加害者は誰? 同僚、先輩、直属の上司...それぞれ3割強の結果に
こうしたデリケートな問題では、上司はあまりあてにならないということだろうか。その謎は、次の質問項目をみると解けてくるようだ。
職場で「SOGIハラ」や「アウティング」があった時、「加害者はだれか」と聞くと、同僚(35.4%)、先輩(35.3%)、直属の上司(30.9%)など社内でもっとも近しい存在からの被害が多く、いずれも3割を超える【図表4】。
特に、トランスジェンダーの人では、直属の上司からの被害が4割(44.2%)を超え、シスヘテロの人やLGBの人たちと比べて10ポイント以上も高い結果となっている【再び図表4】。これでは、上司に訴えるのは難しいだろう。
では、実際に「SOGIハラ」や「アウティング」をされるときは、どんな内容なのだろうか。被害にあったり、見聞きしたりした内容を聞くと(複数選択可)、「女らしさ・男らしさを要求する発言」(54.9%)が最も多く、次いで「容姿や外見に言及する発言」(41.9%)、「性的な冗談」(32.7%)までが3割を超えた。
LGBの人では「同性愛やトランスジェンダーをネタにした冗談、からかい」(22.6%)が多く、トランスジェンダーの人では「自分の性のあり方やパートナー関係についてからかわれたり、侮辱的な発言されたり」(27.9%)がずば抜けて多かった。
フリーコメントで被害を聞くと、こんなケースが寄せられた。
「下ネタを強要される」
「女は素直に自分の言うことを聞くべき、といわんばかりの態度」
「母親のくせに、母親なのだから、と言われた」
「生理についてバカにした発言をされた」
「男らしくないと言われた」
こういった案配だ。