【2024年卒就活生】もう終盤、7月1日で内定率8割超! 企業の内定承諾期限が早まった...でも、あきらめず「自分らしく」働ける企業求めよう

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   2023年の夏休みを前に、2024年春卒業する大学生や大学院生の就職活動が終盤戦に入ったようだ。

   リクルートの就職・採用関連の研究機関「就職みらい研究所」(東京都千代田区)が2023年7月10日に発表した、2024年卒大学生・大学院生が対象の「就職プロセス調査(2024年卒)『2023年7月1日時点 内定状況』」によると、7月1日時点で早くも内定率が8割超、進路確定率が7割と過去最速水準のペースで進んでいる。ただし、内定辞退者も増えているから、まだまだチャンスは残っている。

内定者、ダントツに高い情報・通信...次いで製造、金融保険業

   調査によると、就職内定率(大学院生を除く)の83.2%は、同じ時点の昨年(2023年卒対象)の83.3%を0.1ポイント下回っている【図表1】。

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(図表1)就職内定率(リクルート就職みらい研究所の作成)

   これは、現行の「6月解禁」の採用活動日程になった7年前の「2017年卒」の調査を開始して以来、過去最速だった昨年に次ぐ2番目の内定率だ。「2017年卒」の7月1日時点の内定率は71.1%だったから、12.1ポイントも上回る早いペースだ。

   内定率を文理別で見ると、「文系」が81.5%、「理系」が87.4%と、「理系」のリードが目立つ。特に「理系」は、6月1日時点から4.8ポイト増加した。男女別では、男性(83.9%)のほうが、女性(82.4%)よりやや高い。6月1日時点では差はもっと大きかったから、ここにきて女性陣の追い込みが目につく。

   内定取得先の業種をみると、情報・通信業が26.3%と、ダントツに高いことが特徴だ。日本政府が「ChatGPT」など生成AI(人工知能)の本格的な開発推進を決めたことに表れているように、ITスキルを持つ人材は世界的に奪い合いが激しく、優秀な学生は早くから海外から誘いの手が伸びるため、IT系企業の選考が早く進むためだ。

   次いで、コロナが落ち着いたことで企業活動が活発化した製造業(機械以外、17.1%)、機械器具製造業(14.5%)、金融保険業(13.7%)、サービス業(13.6%)、小売業(12.2%)などが上位に並んだ【図表2】。

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(図表2)内定取得先企業の業種(リクルート就職みらい研究所の作成)

   内定を取得した企業数をみると、平均2.44社で、前年の2.56社より減っている。内定取得者のうち2社以上内定を取得した学生の割合は64.4%で、前年の62.7%よりやや高い【図表3】。

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(図表3)内定取得先企業数(リクルート就職みらい研究所の作成)

内定承諾期限、「2週間以内」が4社に1社の割合

   さらに、速いペースを反映して、進路確定率も7割近い69.7%(昨年よりプラス2.1ポイント)と過去最高水準に達している【図表4】。

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(図表4)進路確定率(リクルート就職みらい研究所の作成)

   その一方で、内定辞退企業数が多いことも、今年の特徴だ。早くも2社以上を辞退した人が34.3%もいるのだ。内定辞退率は6月1日時点から7.1ポイント増加し、60.2%(昨年よりプラス2.4ポイント)と例年以上に高い。

   内定取得者の活動実施率も17.1%と、終盤戦にもかかわらず、2割近い人が「もっと自分に合った企業があるのではないか」と必死に就職活動を続けているのだ。

   もちろん、内定をまだ取っていない人の就職活動実施率は89.5%と、暑い中、気力が衰えることなく、自分の未来を託すに値する企業を探し回っている。

   こうしたなか、内定者に対する企業の厳しい「囲い込み」が明らかになった。内定を取った学生に、内定取得先企業(最大5社分まで)が提示した内定承諾期限を聞くと、最も多いのは「2週間以上~1か月未満」(23.6%)で、次いで「承諾期限はなかった」(22.9%)、「1か月以上~2か月未満」(17.9%)、「1週間以上~2週間未満」と続いた【図表5】。

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(図表5)内定取得先企業の内定承諾期限(リクルート就職みらい研究所の作成)

   なかには「1日以下」(1%)という「この場で決めろ」という乱暴な(?)企業も含めて、「2週間未満」の企業が全体の24.3%を占めた。4社に1社の割合である。「1か月未満」も含めると全体の半数近く(47.9%)に達する。

   半年以上も就職活動を続ける学生にとって、厳し過ぎないだろうか。

「企業には、学生に寄り添った対応をとっていただきたい」

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面接にのぞむ学生たち(写真はイメージ)

   このことについて、就職みらい研究所所長の栗田貴祥氏は、

「内定を取得したことがある学生に、内定取得企業の内定承諾期限を聞いたところ、「2週間以上~1か月未満」が23.6%で最も高く、『承諾期限はなかった』が22.9%で2番目に高い結果になりました。
学生に内定承諾期限についての考えを聞くと、『他社の選考状況によって、内定承諾の可否が変わるので、1週間だと少し短いように感じた』『どの企業も事情を伝えれば柔軟に対応してくださったので、臨機応変さが大切だと思う』など、就職活動の状況を配慮した柔軟な対応を求める声もありました。
内定承諾は人生における重要な決断になるので、企業の皆さまはできるだけ学生に寄り添った対応をとっていただければと思います」

   と、企業に学生の気持ちを考えた柔軟な対応を求めた。

   そのうえで、まだ頑張っている学生に対して、こうコメントしている。

「活動を継続している学生の皆さまの中には、周囲で進路を確定する学生が増え、焦りを感じる方もいるかもしれませんが、引き続き採用活動を実施している企業も多く存在します。納得できる一社に出会えるよう、前向きに就職活動を進めていただければと思います」

   次のチャンスが待っている。焦らず、粘り強く、自分らしく働ける職場を目指して就職活動を進めていこうと励ましたのだった。

   調査は、2023年7月1日~4日、2024年卒業予定の大学生・大学院生を対象に、リクルートが運営する就活支援サイト「リクナビ」のモニターに登録した学生4567人(大学生3574人・大学院生993人)にアンケートした。(福田和郎)

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