半導体材料で世界トップシェアのJSRを、政府系ファンドのJICが買収 国際競争生き残りへ業界再編狙う

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主力商品は半導体向け「フォトレジスト(感光材)」 JSRはシェア28%のトップ企業

   JSRの主力製品は半導体向けの「フォトレジスト(感光材)」という液体樹脂だ。 これは、シリコンウエハーに回路パターンを転写する際に必要で、半導体の製造に欠かせない。回路の微細化の技術進歩でも、重要な位置を占めるとされる。

   調査会社によると、フォトレジストの世界の市場規模は2021年時点で19億ドル(約2730億円)、26年には30億ドルに達する見通しだ。 JSRはシェア28%を占めるトップ企業で、同社を含む日本企業が全体の9割を握っているが、シェア約15%の米デュポンを含め1社ずつの事業規模は限られ、競争も激しい。

   半導体受託製造の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)や韓国サムスン電子などの世界の半導体大手は巨額の研究開発投資せ先端技術開発を進めており、「材料メーカーがついていくための研究投資負担は重い」(経産省筋)。

   フォトレジスト分野は、市場規模としては中規模で、1社で巨額の投資をするには限界があり、生き残りにために同業他社との事業再編が不可欠になると判断したとみられる。

   また、JSRの株主構成は、外国人保有比率が54%(23年3月末時点)にまで増え、21年には主要株主の米投資ファンド、バリューアクト・キャピタルから社外取締役を受け入れていた。

   連結売上高が4000億円規模のJSRが外国勢に買収されかねないとの懸念も、JICによる買収の背中を押したようだ。

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