在宅勤務では「アイデア出ない」業務に支障 「出社せざるを得ない」嘆く若手も
一方、リサーチサービスを提供している「LINEリサーチ」が5月に全国の15~69歳の男女計1万人超を対象に行った調査によれば、職場でテレワークを義務づけたり、推奨したりしていると答えた人は14%に過ぎなかった。前回調査(21年9月)は30%で、大きく減少したという。
もともと、コロナの感染拡大が続いているさなかでも、IT企業を中心に在宅勤務から出社を基本とする働き方に戻す動きは出ていた。
「在宅勤務では社員同士のコミュニケーションが希薄になり、多彩なアイデアが生まれてこなくなる」(IT関係者)など、業務への支障を懸念したからだ。さらに最近では、「上司が出社するよう求めるから出社せざるを得ない」と話す若手会社員も多い。
大手企業の多くではリモートやテレワークの態勢がすでに整備されており、コロナ前の働き方に完全に戻ることはないだろう。
しかし、中小企業などの行方は不透明だ。
企業関係者の中には「アフターコロナの世界では、大企業と中小企業との働き方の差が広がっていく可能性がある」との見方も出ている。(ジャーナリスト 済田経夫)