一方的に指導するのではなく、「自分の言葉」で考えを表明させる
「コミュニケーションの3原則」その3は、「コミュニケーションは話すより聞く」です。
コミュニケーション上手の基本は、聞き上手です。父と娘の会話でも、一方的に父親が娘に話しかけてもそれでは娘を思う気持ちが伝わりにくいばかりか、むしろ説教がましくなって、逆効果だったりします。
娘を思う気持ちを持って話を聞き出してあげることで、親身な気持ちが伝わり娘も父親に特に信頼感を持って接してくれるようになるでしょう。
対担当者コミュニケーションも同様です。どんな場面でも一方的に指導するのではなく、基本は担当者に質問することで、「自分の言葉」で考えを表明させることが、大切です。
特に、担当者が失敗した時、クレームを受けた時などは要注意です。このような場面では、叱責や注意というかたちで一方的な指示をしがちですが、「どうしてそうなったのか」「同じミスを起こさないためにどうしたらよいか」等を質問して、自ら考えさせ、言葉にさせることが成長につながります。特にマニュアルの無い営業の世界では、このやりとりが一層重要なのです。
また、他部署との関係では、自部門からの主張ばかりしていては、結局平行線をたどりがちになります。
まずは自社のおかれた状況を客観的事実として共有したうえで、相手の事情を聞き出しつつ、お互いにどのように歩み寄ったら会社にとって最善の策になるのかを念頭に「相談」する姿勢が大切です。
営業活動を円滑にすすめるためには、社内の部門間での融和は不可欠です。「聞くコミュニケーション」を駆使して、この点をしっかり調整しましょう。【つづく】(大関暁夫)