できる営業パーソンの「コミュ力」とは?...「父と娘の会話」見習おう! 部下&他部署との信頼関係づくりには「コミュニケーションの3原則」を(大関暁夫)

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会話術や操縦術を駆使するよりも、部下を思う気持ちを持って

   「コミュニケーションの3原則」その2は、「コミュニケーションはSKILLよりWILL」です。SKILLとは会話のテクニック、WILLとは意思すなわち相手への気持ちです。

   先の父と娘の例では、父のあるべきWILLは「娘の幸せを願う」気持ちで会話することであり、部下との対話でのあるべきWILLは、部下に対して「育ってほしい」との思いで話をすることなのです。

   「この流れで話をすれば、部下が従わざるを得なくなるだろう」などという会話術や操縦術を駆使するよりも、部下を思う気持ちを持って接することの方が信頼関係をつくるうえでは数段効果的だということです。

   逆に、部下が上司である管理者の自分に対する言葉を聞いて、「管理者自身の保身」や「管理者が自身の評価を気にする姿勢」ばかりを感じるなら、管理者への信頼感は損なわれるでしょう。さらに、その言葉が必要以上に感情的であったなら信頼関係は完全に崩壊します。

   担当者が、管理者は自分の成長を思って言ってくれているのだと感じることで、管理者に対する信頼感は強固になり、営業モチベーションも上がるのです。

   他部署とのコミュニケーションにおけるあるべきWILLは、「一緒に自社をより良い会社にしたい」との思いを持って他部署に話しかけることです。自己の部署だけの利益や都合でモノを言っていると相手が感じるならば協力体制が構築できないばかりか、結果的に営業活動の足を引っ張ることにもなるでしょう。

   ですから、お互いに知恵を出し合って、どうしたらもっと良い会社になるのかを念頭に相談し、協力しあう姿勢を忘れないことが大切です。

大関 暁夫(おおぜき・あけお)
株式会社スタジオ02 代表取締役 企業アナリスト
東北大学経済学部(企業戦略論専攻)卒。1984年、横浜銀行に入行。現場業務および現場指導のほか、出向による新聞記者経験を含めプレス、マーケティング畑を歴任。全国銀行協会出向時には対大蔵省(当時)、対自民党のフロントマンも務めた。中央林間支店長に従事した後、2006年に独立。銀行で培った都市銀行に打ち勝つ独自の営業理論を軸に、主に地域金融機関、上場企業、ベンチャー企業のマネジメント支援および現場指導を実践している。
メディアで数多くの執筆を担当。現在、J-CAST 会社ウォッチ、ITメディア、BLOGOS、AllAboutで、マネジメント記事を連載中。
1959年生まれ。
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