ウォール街ショック!賃金インフレやまぬ米雇用統計...エコノミストが指摘「精度に問題ある雇用統計、過信するFRBの暴走でオーバーキルのリスク」

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米銀行の貸出態度が厳しくなると、賃金インフレを冷ますが...

   今後の株価にはどんな影響を与えるのだろうか。「米金融市場の調整は最終局面に入っている」と指摘するのは、野村アセットマネジメントのシニア・ストラテジスト石黒英之氏だ。

   石黒氏は「米賃金上昇圧力の緩和が米金融政策の焦点に」(7月10日付)のなかで、米銀行貸出態度の厳格化の動きと米求人件数の推移に注目した。

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(図表2)米銀行貸出態度と米求人件数(野村アセットマネジメントの作成)

   【図表2】が、その関連を示すグラフだが、銀行の貸出態度が厳しくなると、求人件数が減る傾向にあることがわかる。石黒氏はこう述べている。

「昨年(2022年)後半から米商業銀行の貸出態度が急速に厳しくなってきたところに、今年(2023年)の3月以降、米金融システム不安への警戒が加わったことで、こうした点が今後の米賃金上昇圧力の緩和につながる可能性があります。
過去を振り返ると、米商業銀行の貸出態度が厳しくなると、米景気の先行きに対する不透明感などから、米求人件数が大きく減少する傾向が確認できます【図表2】。米求人件数の減少は米雇用環境の軟化を通じ、米賃金上昇圧力を和らげることにつながります」

   求人件数が減れば、雇用市場を実質的に冷ますことになるため、賃金圧力を低減させることになるわけだ。石黒氏はこう結んでいる。

「求人検索サイトを運営するIndeedの6月30日時点のデータでも、米求人件数の一段の減少が示されています。こうした点を踏まえると、FRBの利上げは最終局面にあるといえ、米金融市場の調整は短期的なものにとどまりそうです」
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