外出自粛期間を経て、祭りへの参加意欲は? 「参加したくない」は65%...40代以降が顕著に
一方で、「コロナ禍で外出自粛期間を経て、祭りへの参加意欲はどのようになりましたか?」と質問した。
その結果、「コロナ以前より参加したいと思う」は「11%」、「コロナ以前と変わらず参加したいと思う」は「24%」、「コロナ以前と変わらず参加したくないと思う」が「46%」、「コロナ以前より参加したくないと思う」は「19%」を占めた。最多は、「コロナ以前と変わらず参加したくないと思う」の「46%」という結果になった。
2021年調査と比較すると、全体で参加に意欲的な層は減少しているという。「参加したくない」は12.3ポイント上昇しているのだ。
年代別で、「参加したくない」意向に目をむけて調査結果を見ると、20代・30代はともに「56%」(「コロナ以前と変わらず参加したくないと思う」と「コロナ以前より参加したくないと思う」)だったのに対して、40代では「70%」(同)、50代では「69%」(同)、60代では「72%」という割合を占めている。
このように、年齢の高いミドル層とシニア層がコロナ明けの祭りをネガティブにとらえているようだ。
そこで、「コロナ明けの祭りに関して、あなたがもっとも懸念していることは何ですか?」と聞いたところ、最多は「懸念していることはない」が「36%」だったものの、「感染リスクがまだ残っている」が「32%」、「人ごみに慣れていないため不安」が「16%」、「祭りの規模縮小や質の低下」が「6%」、「安全対策が行き届いてなさそうで不安」が「5%」という順番になった。衛生面や安全面で不安を抱えている人が少なからずいるようだ。
こうした調査結果に対して、マツリズム代表理事の大原学氏は、お祭り開催を支援している立場から以下のように指摘している。
「インバウンド需要も戻り外国人の姿も多く、『コロナ前よりも祭りを見に来る人が増えている』と、地元の方々から聞くこともあります。
しかし一方で、祭りの担い手や参加者はコロナ前に比べて少なくなっていることが多く、町会単位で神輿や山車を出すのを止めたり、ルートを短縮するなど規模を縮小したり、神輿を台車に載せて運ぶ光景も見られるようになりました。
さらに、少なくなった人員で観光客や警備の対応をしなければならないため、祭りの担い手の負担はますます増えていると感じます」
「多くの祭りが再開される今年は、さまざまな地域で分岐点を迎え、『祭とは何か?』を改めて問い直す一年になると思います」