仕事が獲れる「Zoom営業」のメソッド...相手は「中小企業の社長」一択だ!

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   コロナ禍で広まったオンライン営業。「これからの面談相手は中小企業の社長一択だ」と説くのが、本書「社長ダイレクトZoom営業」(ぱる出版)である。法人営業の常識をくつがえすセールスの革命的メソッドに驚くだろう。

「社長ダイレクトZoom営業」(峯村昌志)ぱる出版

   著者の峯村昌志さんは、セールスパフォーマンスコンサルタント、経済セミナー講師。東急エージェンシーグループなどを経て、日経メディアプロモーションに入社。コロナ禍で、社長へのダイレクトZoom営業を始め、大きな実績を上げた。

「社長ダイレクト」でいこう!

   従来の営業の基本的な流れは、1次面会者(担当者)を訪問し、うまく行けば上長、さらにその上司へと面談が続く。期間は1カ月から半年に及ぶこともある。

   これに対し、「社長ダイレクト」ならば、この長い道のりがたった1日(30分)で済む大きな時間短縮効果がある。

   このほかにも、「リアル対面なし・全国どこでも・交通費いらず・ストレスフリー」などのメリット満載だ。峯村さんは、このメソッドを駆使することで、コロナ前と比較して売上を140%にし、新規開拓全国1位、研修セールス全国1位の記録を樹立したという。

   そんなうまい話があるだろうか、と思う営業パーソンは多いだろう。

   本書では社長と直接Zoom面談(営業)ができそうな企業の発掘・リストアップから、テレアポ、Zoom面談の事前準備、本番、クロージングと流れを追って、解説している。

Zoom面談にふさわしい企業の選び方

   まず、Zoom面談(営業)にふさわしい企業をどう選ぶか。最も重要なのは「社長の存在感の大きさ」だ。創業社長、同族社長がふさわしい。会社のホームページを見れば、だいたいわかるという。

   社長の姓が社名の一部であれば、その可能性は高く、創業社長であれば、ほぼ間違いなく社長メッセージ欄で自分が立ち上げた会社であることを披歴しているからだ。

   中小企業情報の入手先として有益なのはホームページのほかに、「マイナビ」「リクナビ」などの新入社員採用のための求人サイトだ。

   企業選びの注意点として、「全国あらゆる都道府県に分け隔てなくトライする」ことを挙げている。いわゆる県民性などを真に受けず、苦手な地域をつくらないことが大切だという。

   次は、電話で明らかに失礼な対応をする企業は即刻、営業対象から除外していい、ということだ。電話に出た社員の対応で「社風と品格」は如実にわかる。問題のある企業は早々に除外して、「やりがいを感じ、感謝され、営業を楽しめる企業」との出会いを期待している。

   最初の関門は、テレアポの時点で大胆不敵にいきなり社長にかわってもらい、直接話ししてZoomの約束を取り付けることだ。余裕をもって「上から目線」で臨むのがコツだそうだ。

   かなりの確率で「社長はどうしても無理なので私が代わりに対応します」と取締役、部長、課長クラスが申し出てくるケースがある。そのときは、勇気を出して「ぜひまた次の機会にお願いします」ときっぱりと断ってほしい、と指南している。「社長ダイレクト」にこだわりつづけなければ、その成功はないからだ。

   「これなら社長につないでもあとで叱られないかな?」と瞬間的に感じる電話での話し方や話す内容、トーン、マナーが大切になる。「明るく」「テンポよく」話すことだ。

   「今月、〇〇県内の企業の社長さま限定でご案内しています」など、プレミアム感を出すのも効果的だそうだ。最初の電話でいきなり社長にかわってもらうことがカギになる。

   運よく社長にかわってもらったら、「社長のタイプを瞬時に見分け、話し方をアレンジせよ」と書いている。その後のトークスクリプトを詳しく図解している。

   失敗例として、テレアポと電話営業を混同することを挙げている。テレアポは「面談へ誘導するまで」と堅く心に誓うよう、求めている。商品内容の説明を求められても「それはZoomで資料をご覧に入れながら説明します」とはっきり言うことだ。

   また、テレアポと面談者の分業も望ましくない。同一人物であることが当然のマナーだと指摘している。

「社長目線」の資料を用意する

   Zoom面談で提案するための資料づくりでこだわるべきなのは「社長目線」だという。

   社長に対して、何を強調すれば心をつかむことができるのか。それは「最適な組織づくり」「成長へ導く社員教育」「正しい人事評価」「的確なコスト削減」のいずれかだ。

   自分が提案するものが直接的・間接的にどれかと結びつくことを表現したうえで、「あらゆる業種・規模の企業での導入実績・評価」を付け加えることを忘れない。

   パワーポイントの資料はA4ヨコのページものとA4タテのペライチの2種類を用意する。内容そのものより「会社の未来」「社員の成長」に何が期待できるかをアピールすることが重要だという。

   面談で社長を徐々にその気にさせる、心理学を活用したセールストーク事例も11項目紹介している。

   ただし、これらをトークスクリプトには盛り込まないよう注意している。社長の性格や状況によって反応はさまざまなので、シナリオどおりにいかないことがほとんどだからだ。

   「営業とはクロージングで完結」するもの、と戒めている。その場でYESの決断を促す一言とは。社長の対応ごとに詳しく、示している。本書のキモの部分である。実際に読んでいただきたい。

   社長が「やる」と言ったのに、現場担当者が「やらない」と言ってきたときの対処法にもふれている。

   経済活動が全開となってもオンライン面談を希望する顧客は多いそうだ。社長へのトップセールスをZoom面談が可能にした今、このツールを活用しない手はないだろう。(渡辺淳悦)

「社長ダイレクトZoom営業」
峯村昌志著
ぱる出版
1540円(税込)

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