企業のDX推進に欠かせない「社外採用人材」 だが、4割はミスマッチ実感、6割は早期転職の意向も

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「ミスマッチがある」は41.6%

   では、社内では誰がDXを推進しているのだろうか。「DX推進に最も影響を与えている人物」について質問すると、「社外から採用された人材」(257人)と「当初から社内にいる人材」(245人)の二つの回答に分かれた。

   それぞれの評価についての、自由記述を見てみると、以下のような意見があった。

●社外人材の影響が高い
・社内にはない問題意識を持っている
・意識が高くプロフェッショナルに感じる
・生え抜きにはない知識・経験・スキルを持っている
・前職でDX推進を経験し、プロセスを熟知している
●もともと社内人材の影響が大きい
・社内人材の教育が進んでいる
・社内事情に精通している
・企業風土を理解している
・既得権を手放さないので危険
図6 企業と転職者間でミスマッチが起きていると感じるか(ドリーム・アーツの作成)
図6 企業と転職者間でミスマッチが起きていると感じるか(ドリーム・アーツの作成)

   DXを担う人は、社外から採用されるケースも少なくないようだが、では「企業と転職者間のミスマッチ」はないのだろうか。

   それについて、「DX人材採用について、企業と転職者間でミスマッチが起きているか」の調査結果では、「はい(ミスマッチが起きている)」は41.6%だった。「いいえ(ミスマッチが起きていない)」は「24.9%」と少なく、そして「わからない」は「23.6%」。

図7 転職意向(DX部署所属の人全員)とセグメント別転職意向(ドリーム・アーツの作成)
図7 転職意向(DX部署所属の人全員)とセグメント別転職意向(ドリーム・アーツの作成)

   職場でのミスマッチはつらいものだ。そこで、「転職の意向」について、DX部署の所属者に聞くと(n=538)、「はい(意向がある)」が「47.2%」。3年以内に社外から採用された人材に絞ると(n=132)、「はい(意向がある)」は「60.6%」に上った。かたや、当初から社内にいる人材に絞ると(n=200)、「はい(意向がある)」は「31.5%」という結果になった。

   転職の意向に関して、その理由を同社は「転職の意向を持つ理由も、外部からの人材と内部にいた人材では大きく異なる。外部から転職してきた人材は、管掌範囲や給与などのステップアップを目指す一方で、元々内部にいた人は、『このまま勤め続けても先が思いやられる』などの後ろ向きの理由が多かった」と指摘している。

図8 社外採用のDX人材を中心にDXが進展している理由(社外から採用された人)(ドリーム・アーツの作成)
図8 社外採用のDX人材を中心にDXが進展している理由(社外から採用された人)(ドリーム・アーツの作成)

   最後に、「社外採用のDX人材を中心にDXが進展している理由」を聞くと、「変革を受け入れる企業文化や危機感がある」(96人)、「社内の重要プロジェクトとして経営陣がコミットし全面的に支援している」(75人)、「DX推進の方針やDX人材の要件が明確」(73人)、「全社的にDX・デジタルリテラシーが高い」(51人)という結果があがった。

   今回の調査を受けてドリーム・アーツは、

「DX人材は、社内で確保・育成するよりも、『社外』に求める傾向が強い。DXの本質である『トランスフォーメーション』(変化・変革)を実現するためには、内部人材の活用だけでは難しいと考える企業が多いようだ。
どんな企業でも、外部人材の受け入れには摩擦が付き物だ。特にDX人材は、既存の組織に『変革』を起こすための人なので、受け入れ側の抵抗感、不信感、不安感などの拒否反応は容易に想像できる」

   と指摘。そして、社外人材が活躍できる会社は「企業文化や社内風土が、DX人材が力を発揮できるかどうかを左右するといえそうだ」とコメントしている。

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