5年間で「43兆円」防衛費拡大、防衛増税も柱だったが...「これで増税が先送りしやすくなる」喜ぶ自民党
この結果を手放しで喜んでいるのが自民党だ。党幹部は「これで増税が先送りしやすくなる」とほくそ笑む。
念頭にあるのは、防衛予算の拡大だ。
岸田政権は22年末、23~27年度の防衛費を総額43兆円規模に拡大する方針を打ち出した。従来水準に比べ、約17兆円もの大幅増額となる。
増額分の財源を確保するため、政府は税外収入や歳出改革に加え、剰余金と防衛増税を財源の柱に据える戦略だ。
もっとも、財政法では、剰余金の半分を国債の返済に回すよう求めている。そのため、使えるのは残り半分だ。国は過去の剰余金の実績を踏まえ、余った年平均7000億円を防衛財源にまわす計画を立てていた。
しかし、蓋を開けてみれば、22年度の剰余金は2.6兆円に膨らんだ。防衛財源にまわせるおカネは想定の倍近い1.3兆円に増えたことになる。
これが、防衛財源のもう一つの柱でもある防衛増税の時期にも大きな影響を与えるというわけだ。