英紙ガーディアン、ツイッターの「元広報アドレス」から届いた「poop emoji」に苦笑
満を持しての「スレッズ」の登場に、警笛を鳴らす声もあります。
「スレッズ」の個人情報ポリシーが、ユーザーが利用を躊躇する要因になると指摘するのは、「ツイッター」共同創設者で、現在はSNSサービス「ブルースカイ」を運営するジャック・ドーシー氏。英紙ガーディアンは、同氏のコメントを紹介しています。
Jack Dorsey tweeted a screenshot of Threads' app privacy information, along with the caption "All your Threads are belong to us"
(ジャック・ドーシー氏は、「すべてのスレッズは我々のものだ」という注記をつけて、「スレッズ」のプライバシーポリシー画面を投稿した)
ガーディアン紙は、「スレッズ」のアプリは、ユーザーの健康情報や金融情報、通話やメール、ネット閲覧の履歴、位置情報や買い物購入履歴といったすべての情報を集めることができると警告。
実際、「スレッズ」のプライバシーポリシーについては、BBCもスマホの情報を「hoover up」(掃除機のように吸い上げる)と表現しているほどですから、便利さと引き換えに手渡す情報も多いようです。
ちなみに、ガーディアン紙が今回の「スレッズ騒動」についてツイッター社の「広報」に問い合わせメールを送ったところ、自動応答で返ってきたのはなんと、「poop emoji」(う〇この絵文字)だったとか!
ツイッター社が広報を廃止しているため、以前のアドレスに問い合わせた結果だそうですが、世間を揺るがす「スレッズ騒動」の報道を「poop emoji」情報で締めくくるとは、いかにも英国メディアらしい皮肉です。
一方、「スレッズ」の可能性については、米ニューヨークタイムズ紙も「スレッズはツイッターの刺客になり得る」という専門家の見解を紹介していました。ライバルと比較して一歩リードしている背景に、マスク氏の買収後、メタ社がツイッター社を去ったエンジニアやプロダクトマネジャーらの「受け皿」になっていたと明かしています。
かつてツイッターの買収も視野に入れていたとされるザッカーバーグ氏にとって、「スレッズ」のリリースは満を持しての勝負だったようです。
それでは、「今週のニュースな英語」は、「belong to」(~に属する)を使った表現を取り上げます。
I belong to general affair
(私は総務に所属しています)
She said it belonged to her
(彼女は、それは自分のものだと言っていた)
Russia claims Baltic countries belong to us
(ロシアは、バルト三国は我々に属していると主張している)
今回の「スレッズ騒動」で実感したのは、「Twitter alternative」(ツイッターの代わり)を求めるニーズです。マスク氏買収以前の「旧ツイッター」を懐かしむ声の大きさに、「ツイッター」が人々の生活に深く根付いていたことが伝わってきました。
ただ残念ながら、自動応答システムで「poop emoji」を返信する会社に、ユーザーの声はもう届いていないのかも?(井津川倫子)