新入社員の意識調査 働きたい職場は「お互いを助け合う」「個性を尊重」で、「アットホーム」「活気がある」はやや下火 勤続意向も「現在の会社にこだわらない」57.4%

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上司に求めること、10年前と比べて...「リーダーシップ」9.2ポイント減、「厳しく指導」20.6ポイント減 「耳を傾け」「丁寧に指導」してくれる上司を求む

図3 上司に期待すること(リクルートマネジメントソリューションズの作成)
図3 上司に期待すること(リクルートマネジメントソリューションズの作成)

   一方、上司に期待することは何か――。これについては、「相手の意見や考え方に耳を傾けること」が昨年に続きトップの「49.5%」となった。昨年比では4.6ポイントの減少となるが、10年間の比較では3.1ポイントの上昇となっている。

   また、「一人ひとりに対して丁寧に指導すること」が10年間の比較で16.3ポイントと急上昇し、「49.1%」で過去最高となった。

   また、ポイントが減少した項目をチェックすると、「仕事に情熱を持って取り組むこと」が「19.6%」で、これは10年間の比較で15.3ポイント減少して、過去最低となった。

   さらに特徴的なのは、「言うべきことは言い、厳しく指導すること」が10年間の比較で20.6ポイント大きく減少し、「17.5%」となり過去最低になっている。

   厳しい上司は好まれなくなっているようにも見えるが、同社では、

「上司に対しても、個性を尊重するコミュニケーションを求めている。
社会全体のハラスメント意識の強まりなどにより、厳しく叱られる経験も減少し、厳しいフィードバックへの苦手意識がさらに高まっている。
新入社員は、相手に心を許すまで一定の距離を置く傾向もあるため、"情熱"という強いワードが入る項目の選択率が下がった可能性が高い」

   とした。

図4 身につけるべきこと(リクルートマネジメントソリューションズの作成)
図4 身につけるべきこと(リクルートマネジメントソリューションズの作成)

   次の質問では「新入社員時代に身に着けること」を聞いた。最多から順に「社会人としての基本行動」が「38.9%」、「仕事に向かう姿勢・スタンス」が「23.7%」、「社会人としてのビジネスマナーや規律」が「10.8%」、「セルフコントロール力」は「8.0%」、「業務に必要な専門知識やスキル」は「6.1%」。今回、最も少なかったのは「会社の価値難に沿った行動」で「0.9%」という結果になった。

   同社では

「新入社員時代にスタンスやマナーよりも、報告・連絡・相談、PDCAなどの基礎行動を身につけるべきことと答えた割合が最も高かった。
これは、How Toのような具体的インプットの方が、仕事に直接的に役立ち、効率的だと思っている傾向の現れだと推測する。
『会社の理念や価値観に沿った行動』の組織適応への選択率は1%を切る結果となった。『個』の意識が高まる中、組織への帰属意識・欲求自体が低下している可能性が考えられる」

   と分析している。

図5 就職先での勤続意向(リクルートマネジメントソリューションズの作成)
図5 就職先での勤続意向(リクルートマネジメントソリューションズの作成)

   最後に、就職先での勤続意向を聞いた。すると結果は、「現在の会社で勤め続けることにこだわらない」が「23.4%」、「どちらかと言えばこだわらない」が「34.0%」で、あわせて「57.4%」となった。

   一方で、「定年まで現在の会社で勤めたい」(13.8%)、「どちらかと言えば勤めたい」(19.4%)をあわせた「33.2%」となった。現在の会社に勤め続けることにこだわらない新入社員のほうが24.2ポイント上回った。

   こうした傾向のある新入社員との接し方について同社は、以下のようにまとめている。

「新入社員とともに協働していくポイントは、『共通目的』と『セルフリーダーシップ』です。
前者は、トップダウンで一方的に降りてくるものではなく、双方向でのやり取りの中で、共に意味付けをしていくものです。
協働者の間で意味付けされた共通の目的を置くことによって、多様な『個』が持つ"違い"は、物事をよりよくする一つの観点になり、プラスの要素に転換します。
後者は、自分自身に対して発揮するリーダーシップを指します。VUCA環境下でも「個」を生かし活躍するため、若手層に自分起点で動くことで、よりよい状況を自らつくっていく力を身に着けてもらうことが重要となります」
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