役員報酬1億円以上717人って多い?少ない? 欧米に比べると情けないほど「小粒」...政府も「ぬるま湯」と批判、日本企業トップ事情を探ると

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米国経営者の報酬は日本の14倍、英・独・仏も4.8倍

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1億円以上の報酬を得る役員とは(写真はイメージ)

   ところで、日本企業の経営トップ層の報酬額は欧米に比べると格段に低い。

   たとえば、世界最大級の会計会社「デロイト トーマツ グループ」が2022年6月に発表した「2021年度 日・米・欧の社長・CEO報酬水準比較」によると、日本のTOPIX100銘柄で、かつ売上1兆円以上のトップ企業17社の社長・CEOの報酬総額の中央値は、1.3億円だった。

   これに対して、米国の売上1兆円以上のトップ企業284社の中央値は17.9億円で、日本の約14倍だ。欧州と比べても、英国の同43社は5.5億円(日本の4.2倍)、ドイツの同30社は7.0億円(日本の5.4倍)、フランスの同34社は6.3億円(日本の4.8倍)となり、欧州3か国平均と日本の格差は4.8倍に及んだ。【図表3】

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(図表3)報酬額中央値の5か国比較(デロイト トーマツ グループのプレスリリースより)

   日本の役員は報酬額が少ないだけではない。【図表3】を見るとわかるが、「固定報酬」の割合が高く53%も占めている。しかし、英国、ドイツ、フランスでは20~30%台だ。米国に至ってはわずか8%。残りは出来高払いの成功報酬(短期・中長期インセンティブ)だ。「成果」を上げないと、トンデモない収入減につながるばかりか、株主から追い出される厳しい世界なのだ。

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