円安や原材料高も続き、さらなる値上げ迫られる可能性...それでも客は離れないか?
新型コロナが5月に5類に移行して「ウィズコロナ」がより進んで外食需要を押し上げていることも、壱番屋の業績改善を後押ししている。特に、日本のカレーは訪日外国人にも人気があるだけに、盛り返しているインバウンド需要も取り込めているようだ。
壱番屋はパスタなどカレーライス以外の店舗を含めて5月末現在、国内に1252店、海外に208店の計1460店を展開する。海外ではタイが51店で最多、中国43店、韓国32店が続き、アジアを中心に出店している。「本場」のインドにも2店出している。
最近ではそうした海外店舗のメニューを「逆輸入」して提供する店も始めた。
東京と名古屋に計2店舗開業しており、中国やタイで出しているカレーソースを使い、内装も海外店舗を意識した作りにしてココイチファンの人気を集めている。
足元の業績は好調だが、円安や原材料高も続いており、特に国内事業で高い利益の持続性があるかどうかを心配する見方も出始めている。
さらなる値上げも検討課題になる可能性があるが、顧客が値上げにどこまで耐えられるか不透明ななか、難しい舵取りを迫られる局面もありそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)