2023年7月も食品値上げラッシュ! レトルト食品、パン、乳製品、チョコレート...ピークは秋に、「物流2024年問題」コスト増で来年も続く?

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   食品値上げラッシュが止まらない。

   帝国データバンクが2023年6月30日に発表した「『食品主要195社』価格改定動向調査―2023年7月」によると、食品各社が7月に値上げを予定している食品は約3500品目に達し、昨年同月の約1.5倍のペースだ。食品値上げラッシュが止まらない。

   今後、値上げのペースは緩やかに下降する10月には再びピークを迎える。当分、家計にチェックに念を入れる日々が続きそうだ。

  • スーパーで高すぎる食品に迷う女性(写真はイメージ)
    スーパーで高すぎる食品に迷う女性(写真はイメージ)
  • スーパーで高すぎる食品に迷う女性(写真はイメージ)

パックご飯やカレー、即席麺、わさび、国産ウイスキー...

   食品各社のプレスリリースや報道をまとめると、7月に値上げされる主な食品は次の通りだ(価格は税別)

【小麦粉、乾麺など】
●日清製粉ウェルナ:家庭用小麦粉やパン粉、乾麺などを約2%~7%値上げ。

●ニップン:家庭用の小麦粉やミックス、その他食品類を約3%~26%値上げ。

●昭和産業:家庭用小麦粉を約3%~6%、家庭用プレミックスを約2%~6%、家庭用乾麺を約3%~7%値上げ。これにより、「天ぷら粉黄金」(450グラム)が341円から350円に。「おいしく焼ける魔法のお好み焼粉」(400グラム)が394円から407円に。「SHOWAホットケーキミックス」(200グラム3食分)が460円から485円に。
【レトルト食品など】
●エスビー食品:カレーなどのルウ、レトルト食品、どんぶりの素、インスタント麺などを約5%~31%値上げ。これにより、「ゴールデンカレー中辛」(198グラム)が366円から415円に、「とろけるカレー中辛」(180グラムが282円から321円に。

●ハウス食品:家庭用香辛料などを平均約13%値上げ。これにより、「おろし生わさび」(43グラム)が125円から140円に。「あらびきブラックペッパー」(15グラム)が130円から148円に。
【パックご飯】
●サトウ食品:「サトウのパックごはん」全商品の価格を約8%~10%値上げ。
【乳製品】
●雪印メグミルク:チーズやピザソース、練乳、スキムミルクなどを約5%~14%値上げ。これにより、「とろけるナチュラルチーズ」(300グラム)が830円から870円に。
【飲料】
●サントリー:国産ウイスキーの一部を16%~20%値上げ。これにより、「角瓶」(700ミリリットル)が1590円から1910円に、「オールド」(同)が1880円から2250円に、「スペシャルリザーブ」(同)が2580円から3000円に、「ローヤル」(同)が3360円から3900円に。
パンの値上げラッシュ(写真はイメージ)
パンの値上げラッシュ(写真はイメージ)
【パン】
●山崎製パン:食パンの「ロイヤルブレッド」「超芳醇」「ダブルソフト」「ふんわり食パン」や、菓子パンの「高級つぶあん」「まるごとソーセージ」「ミニスナックゴールド」「カレーパン」「ルヴァンバターロール(6個入)」などを平均7%値上げ。

●フジパン:食パン、食卓ロール、菓子パン、洋菓子、和菓子を値上げ。「本仕込食パン」などは約8%、「ネオバターロール」「生ろぉる」などは約5%~8%、「ピザパン」「黒コッペ」「スナックサンド」などは約4%~11%、「おいしいたまご蒸しパン」などは約12%の値上げ。

●敷島製パン:一部のパン、菓子類を約2%~8%値上げ。食パンは約5%~7%、食卓ロールは約3%~8%、菓子パンは約4%~7%、和洋菓子は約2%~6%の値上げ。

   こういった案配だ。

小麦の値上げでパンが、砂糖の値上げで菓子が...

   帝国データバンクの調査によると、家庭用食料品の今年(2023年)の値上げ品目数は、6月30日時点で累計2万9106品目に達した。バブル崩壊以降で類を見ない、記録的な値上げラッシュとなった昨年(2022年)通年の2万5768品目をすでに超えてしまった【図表1】。

(図表1)2023年の食品値上げ(6月30日時点)(帝国データバンクの作成)
(図表1)2023年の食品値上げ(6月30日時点)(帝国データバンクの作成)

   昨年より約1.5~2倍のペースで値上げ品目が増えている。また、調査対象195社のうち9割超の企業が昨年から1回以上の値上げを行ったほか、今年だけでも約8割がすでに値上げを実施・予定している。

   7月に値上げするのは3566品目で、昨年7月(2443品目)より約1.5倍に増えた。最も多いのは「パン」(1578品目)で、輸入小麦価格改定の影響が大きい。このほか、「加工食品」(836品目)ではパックごはんやレトルトカレーなどが中心になる。物流費の上昇や電気・ガス代の値上げが響いた【図表2】。

(図表2)主な食品分野、値上げの動向(帝国データバンクの作成)
(図表2)主な食品分野、値上げの動向(帝国データバンクの作成)

   また、「調味料」(619品目)では、めんつゆ製品やスパイス製品で値上げとなる。これは、砂糖や食用油の価格高騰が要因だ。「菓子」(242品目)は、チョコレート菓子や焼き菓子、ポテトチップス関連製品が中心で、カカオ原料の高騰や物流費の上昇が響いている。

   「乳製品」(1175品目)は、牛乳不足が問題になった昨年とほぼ同水準に並んだだが、今後さらなる乳価の引き上げが想定されており、昨年を上回る可能性がある【再び図表2】。

乳製品の値上げは、これからが本番

財布と相談してため息をつく(写真はイメージ)
財布と相談してため息をつく(写真はイメージ)

   値上げラッシュはこれで終わりではない。8月は乳価改定の影響を受けて、パック牛乳やヨーグルトなど乳製品を中心に987品目、9月もチョコレート菓子など1686品目が値上げ予定となる。

   10月は、瓶など包装資材価格の上昇を背景に、日本酒やワインなど酒類を中心とした3385品目の値上げが予定されている。今年4月以来、半年ぶりに5000品目超えの値上げラッシュとなる可能性がある。

   帝国データバンクではこうコメントしている。

「足元では、2022年10月に代表される食品全体の急ピッチな値上げは、今春を境にピークアウト傾向にある。ただし、電気・ガス代に加え、プラ製包装資材、物流2024年問題への対応費用など、コストアップ要因は点在しており、値上げは緩やかながらも断続的に続いている」

   まだまだ、財布の中身と相談する日々が続きそうだ。(福田和郎)

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