日本は「できるだけ高い地位に」13.1%、「困難があっても挑戦してみたい」22.5% 一方で、「暮らしていける収入があればのんびりと暮らしていきたい」84.5%
では、社会に対してはどのように感じているのか――。
これについては、「自分の国の未来は明るい」では、米国は49.9%、韓国は50.4%と両国とも半数近いのに対して、日本は32.0%にとどまる。つまり、高校生の約3割しか、日本の将来を明るいと考えていないという、何とも悲しい結果だ。(グラフ4)
さらに、「将来は今よりも経済的に発展していると思う」でも、韓国が71.8%、米国が69.6%に対して、日本は55.4%と両国を大きく下回っている。
ところが、意外なことに、「自分の国で暮らすことに満足している」では、90%を超えているのは日本だけだ。日本では2014年91.5%、2018年92.9%、2022年91.0%と9割を上回る結果が続いている。米国の74.8%、韓国の64.6%に比べると非常に高い。(グラフ5)
こうした自分の国の将来を予想しながら、自分は将来、どのように暮らしていきたいと考えているのかでは、非常に特徴的な結果となっている。
「できるだけ高い地位に就きたい」では、中国が31.7%、米国が30.5%、韓国が27.6%に対して、日本はわずかに13.1%でしかない。
また、「やりたいことにいくら困難があっても挑戦してみたい」でも、米国が46.3%、中国が38.2%、韓国が28.4%だが、日本は22.5%にとどまり、4か国中で最も低く、米国の半分に満たない。
こうした傾向が、「自分の会社や店をやりたい」では、韓国が64.1%、中国が58.6%、米国が53.5%といずれも半数を超えているのに対して、日本では約2割の22.9%と非常に低い結果となって表れている。(グラフ6)
極めて特徴的なのは、「望む仕事につけなくても、がまんして働くべきだ」に対して、中国では27.5%、米国では24.7%、韓国でも16.9%が回答しているのに対して、日本ではわずかに5.2%にとどまっている。
この傾向が、「暮らしていける収入があればのんびりと暮らしていきたい」に対して、中国では62.0%、米国では73.4%、韓国では78.5%に対して、日本では8割を超える84.5%という結果につながっているのかもしれない。
筆者は、日本の高校生は米国、韓国、中国の高校生に比べ、挑戦する意欲が少ないとか、安定志向が強いなどと言うつもりは毛頭ない。こうした高校生が持つ意識や考え方は、これまでの大人が作り上げてきたものであり、変えていかなければならない点があれば、それは大人が反省し、努力していくべきものだからだ。