エネルギー転換、2030年以降に「開花フェーズ」へ
さらにENEOSは、「第3次中期経営計」で、グループ理念の実現に向けて「『今日のあたり前』を支え、『明日のあたり前』をリードする」を新たな決意として掲げた。
それを踏まえ、「エネルギートランジション(化石燃料から再生可能エネルギーへの転換)への取り組み加速と確かな収益の礎の確立」で、成長への道筋を示している。
エネルギートランジションの「成否のカギ」を、第3次・第4次の中期経営計画の期間で、周到な準備と展開をあげている。そのうえで2030年以降を「投資拡大」と事業の「開花フェーズ」ととらえている。
〈 3次中計の基本方針 〉として、
(1)確かな収益の礎の確立 → 製油所トラブル削減、ビジネスプロセス改革など
(2)エネルギートランジションへの取り組み加速
(3)経営基盤の強化 → ENEOSから3事業の分社化、JX金属上場準備
――をあげた。
進むべき道は明確なようだ。
また、ENEOSの業績は、20年3月期(1880億円の赤字)を底に改善傾向を示している。
時を一にして、日経平均株価も1万6552円(2020年3月)、5年中期チャートでの安値を記録。ENEOS株の5年の中期チャートをみると、450円を中心に、上下100円幅で推移している。
そこで、450円~460円からの買いスタートを考えている。
ENEOS株は東証プライムで大型株に分類され、株価を動かすためには多くのエネルギーを要するという大型株の持つ問題がある。その反面、5万円未満で取得でき、個人投資家には、取得しやすい銘柄ともいえる。
さらには、会社四季報2023年3集夏号(2023年6月16日発売)によると、ENEOS株のPBR(株価純資産倍率)は0.5倍と、東京証券取引所が求めている「PBR1倍」を大きく下回っている。一刻も早いPBR1倍への改善を期待したい。(石井治彦)
【ENEOSホールディングス】(5020)
年初来高値 2023年5月11日●507円00銭
年初来安値 2023年1月5日●436円40銭
直近 終値 2023年7月3日●504円90銭