日々の活力は、食べ物から――。では、普段の食生活への満足度はどれくらいだろうか。
キユーピー(東京都渋谷区)は2023年6月23日、独身生活者を対象に食生活を調べた2022年度「えがおの食生活研究」結果報告を発表した。
それによると、普段の食生活の総合的な満足度は41.9%だった。性別・年代別では、女性40代が47.8%で最も満足度が高く、次いで男性20代で45.7%となった。
また、満足している人の傾向としては、月1回以上、「生鮮から手作りした食事」、「市販の弁当、おにぎり(中食)」、「インスタント、レトルト食品」、「平日の夕食の外食」を取っている人のほうが、それぞれ月1回未満の人よりも食生活の満足度が高いという結果に。
もっとも、調理をする理由では、全体でみると、多い順に「食費を削りたいから」、「外食をするより安いから」、「家にある食材を使い切るため」と続いたといい、同社は「これらの回答から、昨今の物価高の影響から食費に対する節約意識が高まっている可能性が考えられる」と見ている。
増えた項目に「電子レンジだけでの調理」、減った項目に「友人や知人と外食をする頻度」
この調査は2022年10月7日から10月12日まで、日本在住の一人暮らしをしている男女20歳から59歳までを対象に、インターネット調査を行ったものだ。有効回収数は1500人。
まず、ここ2~3年の間、生活者の食生活の変化について、まとめたグラフが下の図1となる。「増えた・減った」という増減率を整理している。
このうち、最も増加率が高かったのは「電子レンジだけで調理を済ませること」で「9.0%」だった。次いで、「たんぱく質を意識して摂ること」が「7.4%」、「栄養バランスへの配慮」が「4.6%」だった。
反対に、減少率が最も高かったのは「友人や知人と外食をする頻度」が「30.3%」、次いで「手のこんだ料理をつくる頻度」が「12.8%」となった。友人・知人との外食はやはりコロナ禍の影響が大きいようだ。同社は、次のように指摘している。
「コロナ下で、今まで外食をしていた単身者が、自炊をする機会が増えたことに伴い、簡単な調理方法として電子レンジを使うことが増えたものと考えます。さらに健康意識の高まりから、タンパク質や栄養バランスに配慮した食事を意識するようになったことも示唆されました」
調理をする理由...多かったのは「食費を削りたいから」
続いて、普段の食生活の総合的な満足度を質問したのが、上の図2だ。「非常に満足している」が「6.0%」となった。「まあ満足している」は2011年の調査以来、2019年までは減少傾向となっていたものの、2022年には増加に転じて、「35.8%」となった。
したがって、「満足している」(「非常に満足している」と「まあ満足している」の合計)の割合は、2019年の「33.3%」から8.6ポイント上昇の「41.9%」となった。
性別・年代別でみると、女性40代が「47.8%」で最も高く、次いで男性20代で「45.7%」となった。
引き続き、食事形態別でみると、月に1回以上「生鮮から手作りした食事」、「市販の弁当、おにぎり(中食)」、「インスタント、レトルト食品」、「平日の夕食の外食」を月1回以上取っている人は、それぞれ月1回未満の人よりも食生活満足度が高いようだ。
最後に、調理をする理由を質問した。その結果、全体で見ると「食費を削りたいから」が3割強となり最多に。次いで、「外食をするより安いから」、「家にある食材を使いきるため」が続いた。
こうした傾向に同社は、「性別年代で見ると、女性30代~50代では『家にある食材を使いきるため』『手作りする方が健康的だから』が全体的と比べて高い結果となりました。調理をする理由は、『節約意識』が根底にありつつも、男女で意識の違いがあることも分かりました」としている。
同社では調査の総括として、以下のようにまとめている。
「今回の調査から、単身者は性年代別や食意識・食行動によって特徴はあるものの、『お金と時間をかけずに、おいしくて健康によい食卓』『その時の気分に合わせた自由な食卓』など、それぞれの生活スタイルにあった食生活を楽しんでいる様子がうかがえます。
素材から手作りすることだけでなく、市販の加工食品を使った時短・手間抜き調理や、中食・外食をうまく取り入れることも食生活満足度向上の要因になっていることが分かりました」