ブラック企業だと感じたときの対処法は「すぐに退職する」が約4割
次に、ブラック企業の勤務経験がある人に「働いている会社がブラック企業だと感じたときの対処法は?」と聞いたところ、「すぐに退職する(した)」と答えた人は39%で最も多かった。次いで、「退職に向けて準備をする」が27%、「家族や知人・友人に相談する」が14%と続いた。【下の円グラフ1参照】
「すぐに退職する(した)」人に、「どうしてそのような判断をしたのか」聞くと――。
「極度の残業や休日出勤が常態化していて、働き方が常軌を逸していると感じていた。このまま続けても身体を壊すと思ったから退職した」(30才~34才男性、情報通信業 クリエイティブ)
「休日出勤は当たり前。プライベートな時間は削られ有給の取得も制約される。他の人と同様にふつうの生活をしたいと思い退職しました」(25才~29才女性、小売業・接客業)
「上司のパワハラが凄まじく精神的に無理でした。(35才~39才男性、金融業・保険業 営業)
「低賃金なのに残業代の未払いは発生するわで、会社への不信に加えて経済的にしんどかったため」(25才~29才男性、生活関連サービス業 オペレーター)
こういった理由があがった。
「退職に向けて準備をする」と答えた人には、その判断の理由を聞いた。すると、こんな声が――。
「新たな職場を見つけるまで現職にとどまる」(25才~29才男性、医療・福祉 介護職) 「退職後の生活費の不安があったので、まずは準備をしっかりしようと思いました」(25才~29才女性、宿泊業・サービス業)
「次の会社もまたブラック企業だったら...と考えるとなかなかすぐに退職できない」(20才~24才男性、飲食サービス業 販売)
また、「家族や知人・友人に相談する」と答えた人からは、
「退職後のキャリアプランや進路について具体的に検討するために、ひとまず友人に相談して助言をもらおうと思いました」(30才~34才男性、保険業 営業)
「自分と異なる視点や情報を持っているかもしれないので」(25才~29才男性、不動産業 営業)
といった声があった。
一方で、「退職しない・様子を見る」と答えた人は、
「責任あるポジションのため将来的なキャリアや経歴を考えると辞められない」(45才~49才男性、小売業 人員管理)
「上司との関係を改善すれば、少しは働きやすくなる可能性もあるため」(25才~29才男性、保険業 経営企画)
「仮に退職しても転職先の選択肢や条件が限られていると思い、退職を踏みとどまっています」(35才~39才女性、福祉 総務・広報)
などの意見があった。「退職をしない」という人の中には、「状況を確認したい」「改善する可能性が残されている」という理由で、今の職場に踏みとどまるという声がみられた。
調査によると、「労働基準監督署に通報する」と答えた人もいた。
「長時間労働と残業代未払いが続き、心身ともに疲弊していました。労働基準に違反している企業のあり方を是正したくて相談しました」(30才~34才男性、製造業 生産管理)
「休日出勤が常態化していて有給休暇もまったく取れず、労働者の権利を阻害されていると思ったので」(25才~29才男性、小売業 販売)
「雇用契約の不正を報告するため」(30才~34才女性、建設業 経理)
こんな声が寄せられた。
ちなみに、通報は匿名でも可能なため、自身の身を守りながら問題解決に向けて動くことができる。