まもなく、インターンシップも控えている2025年卒就活生――。
デジタルネイティブのイマドキの就活生は、会社のウェブサイトや企業のSNSなどさまざまなところをチェックしているが、「動画」での情報収はどれくらい活用されているのだろうか?
学情(東京都千代田区)が「(就活での)応募前の動画視聴」というテーマで、2025年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象にインターネットアンケートを実施したところ(2023年6月23日発表)、インターンシップへの応募前後で動画を視聴したら、志望度が「上がる」とした学生が79.9%という結果が出た。
また、動画を視聴して、企業への関心が高まったことが「ある」と回答した人も65.7%という結果で、企業側も「動画」を有効活用すると、就活生へのアピールになるかもしれない。
見たい動画は「仕事内容の紹介」、「事業内容の紹介」、「1日の流れ紹介」
この調査は、同社の運営する「あさがくナビ2025」の利用者で、2025年春卒業予定の大学生・大学院生551人から有効回答を得た。調査期間は2023年6月2日から6月13日までで、インターネットで調査を行った。
2025年卒就活生のインターンシップ広報解禁を迎えるなか、デジタルネイティブのZ世代の就活生は、SNSや動画での情報収集を好む傾向があるとされるが、その実情に迫るのが今回の調査目的だ。
調査でははじめに、「インターンシップに関する情報や就職活動準備に、動画を活用したいか」聞いた。その結果、「(動画を)活用したい」と回答した学生は「52.4%」、「どちらかといえば活用したい」(27.5%)で、あわせて79.9%の学生が動画を活用したいと考えていることがわかった。
同社によると、回答者からは、「テキストより、多くの情報を得ることができる」「企業の雰囲気を知りたい」「就職活動準備以外の情報収集でも、動画を活用することが多い」などの声が上がっているという。
続いて、「動画を視聴し、企業への関心が高まったことはありますか?」と聞いた。その結果、「(関心が高まったことが)ある」と回答した学生は40.4%。「どちらかと言えばある」は25.7%だった。これらをあわせて、7割に迫る、66.1%は動画視聴を通じて、企業への関心が高まったことがあるというわけだ。
同社によると、回答者からは「企業の特徴が分かり興味を持った」「動画を見るまで知らない業界だったが、仕事内容をイメージできた」といった声が寄せられているという。
さらに今度は、「動画を視聴し企業への志望度が上がったことはありますか?」と聞いた。その結果、「(志望度が上がったことが)ある」は32.6%、「どちらかと言えばある」は29.9%で、これらをあわせて62.5%がポジティブな回答だ。
同社によると、回答者からは「企業の雰囲気や社風が、自身にマッチしていると感じた」「実際に働いている人のインタビューを見て、働くイメージが湧いた」「企業のビジョンが、自身の目標と合致していることが分かった」などの声が上がっているという。
「先輩社員の話」「人事担当者の話」で企業理解深めたい! 「働いている人の話が一番リアル」
就活生にとって企業動画を見ると、その会社への関心を高め、インターンシップや就活時の志望度も上がるということがわかったが、では具体的にはどのような動画に、関心があるのだろうか。
これについては、学情が「就職活動準備における動画活用」というテーマで調査したアンケート結果(2023年6月20日発表)が、大いに参考になりそうだ(調査は、「あさがくナビ2025」の利用者で、2025年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生が対象。551人から有効回答を得た)。
調査では、企業動画で視聴したい内容を聞いた。その結果、最多は「仕事内容の紹介」で「81.3%」、次いで「事業内容の紹介」が「63.2%」、「1日の流れ紹介」が「62.9%」、「インターンシップコンテンツの紹介」は「50.5%」という結果だった。
同社によると、コメントとして、「仕事内容を具体的に知れると、自身に向いているかイメージしやすい」「入社後に活躍できそうかを具体的にイメージしたい」「実際に入社した際の仕事内容や1日の流れを知りたい」といった声が上がっているということだ。
つぎに、企業動画を視聴したいタイミングを聞いてみると、「インターンシップへのエントリー前」が「82.4%」で最多に。ほかの項目を大きく引き離している。インターンシップへの応募前には、具体的な情報を得たいという意欲のあらわれだろう。
最後に、企業理解を深めるために、参考にしたいものでは、「先輩社員の話」が「72.2%」で最多だった。次いで「人事担当の話」が「62.6%」、「第三者の声や評価」が41.2%と続いた。
回答者からは、「入社後、先輩上司になる方の話を聞きたい」、「実際に働いている人の声が、1番企業のリアルを知れると思う」といったコメントが寄せられている。
こうした調査結果から考えると、企業動画を通じて、先輩社員たちからの「生の声」には訴求力がありそうだ。