「ウェルビーイングな働き方」調査...バリバリ働く「ワーク重視派」は減り、私生活楽しみたい「エンジョイ派」が増える 誰もが働きやすい職場環境には、きめ細かな制度も大事

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育休・産休制度、女性取得は50%以上 男性は15%と低く、まだまだ課題に

図2(NTTデータ経営研究所 NTTコム リサーチの作成)
図2(NTTデータ経営研究所 NTTコム リサーチの作成)

   続いて、ウェルビーイングな働き方の実現に役立つと考えられる各種制度の利用状況はどうか。

   調査によると、「介護休暇の取得」の項目は、女性で「利用したことはないが、利用したい」が「9.6%」、「利用したいが制度がない」が「21.5%」。男性で「利用したことはないが、利用したい」が「13.9%」、「利用したいが制度がない」が「38.9%」となり、男女ともに関心が高いことがわかった。

   こうした結果について同社は、「介護休暇では『周囲で利用している人がいない』ことが利用に踏み出せない背景となっていることが多い。男女ともに利用実績が少ないことから、会社全体で利用のイメージを持ちやすくなるよう他社事例を学ぶといった機会を持つことが有効と考えられる」と分析している。

   また、「時短勤務」の項目については、女性で「利用したことはないが、利用したい」が「6.7%」、「利用したいが制度がない」が「31.1%」。男性で「利用したことはないが、利用したい」が「16.3%」、「利用したいが制度がない」が「34.7%」となった。

   さらに、「ステップアップにつながる研修」の項目では、女性の「利用したことはないが、利用したい」が「5.8%」、「利用したいが制度がない」が「28.8%」。男性で「利用したことはないが、利用したい」が「14.1%」、「利用したいが制度がない」が「40.6%」となった。

   この結果について同社は、

「スキルアップにつながる研修については、男性は『周囲で利用している人がいない』ことが利用していない最大の理由であるのに対し、女性は『利用する時間がない』ことが最大の理由となっている。
家庭や趣味などと両立させながら仕事に取り組むタイプが多い女性が、研修を利用しやすくするために、研修の時間を就業時間内に組み込むといった工夫が考えられる」

   としている。

   一方で、制度の利用意向がある回答者のうち、実際に活用したことがある回答者の割合を示した(実践指数:「利用したことがある」÷(「利用したことがある」+「利用したことがないが、利用したい」)では、育休・産休制度について男女差が大きく、女性の実践指数が50%であるのに対して、男性は15%に留まった。

図3(NTTデータ経営研究所 NTTコム リサーチの作成)
図3(NTTデータ経営研究所 NTTコム リサーチの作成)

   他方、各種制度については、制度と利用意向があるが、利用したことがない理由として、男性はすべての項目で「周囲で利用している人がいない」が最多となった。同社は「女性はハラスメント対策制度、生理休暇について『利用していることを知られたくない』と考える人が多くいることがわかった」としている。それだけに、

「男女ともに制度の導入だけでは利用の拡大には障壁が残るため、利用しやすくするための運用上の配慮が重要と考えられる」

   と、同社はコメントしている。

   最後に、同社では、誰もが働きやすい職場環境の実現に向けて、重視するものの違う女性に対して支援策の導入度、実際に各支援策の利用が広がるような工夫が重要だ、と指摘している。

   支援策の例としては、

・昇進に意欲的なワーク派には、スキルアップにつながる研修などの提供充実
・各種制度を利用しながら仕事と家庭の両立を図るライフ派には、使いやすい環境整備
・テレワークを重視するエンジョイ派には、利用制度の見直しで利用できる対象者を拡大

   など、女性社員が目指すキャリアに合わせた支援策の充実をあげている。

   なお、この調査は2023年1月26日~28日、非公開型インターネットアンケートとして実施された。有効回答者数は1041人となっている。

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